先日最強リーグの運営方針などを説明してくれる配信があったので聞いていましたが、その中で
スタッツという言葉が出てきたので、面白そうだと興味を持ってどんなデータが出来るか考えてみました。
スタッツにも色んな効果や目的があり、データの取り方出し方も様々だとは思うのですが、とりあえず私は
『データを出されたときに自分が興味持てそうなもの』という所を考えてみました。
結果
『この選手はこういう戦術が得意で、こういう勝ちパターンの傾向がある』みたいな
選手の個性ってデータとして見ることが出来たら面白そうだなって思いつき、どういうデータ出したらそれが分かるかなと考えてはみたのですが、ぷよって
思った以上に試合の内容を評価するのが難しいということが分かりました。
本線暴発して止まった8連鎖がたまたま刺さって勝ったとか、相手のミスで勝ったとか、どう評価すりゃいいのか分かりません。
まぁでも野球だってエラーかヒットか、ワイルドピッチかパスボールか、みたいなのって
最後は記録員の主観に委ねられるみたいなところがあるので、別に記録する側の主観が入ってもいいことなのかなって思ったら作れそうな気がしてきたので、思いつくままにザザッとやってみました。
データサンプルが少なすぎる以外にも、なんでレーダー重ねたんだとか、上限80になってんぞとか、色々とツッコミどころのあるチャートですが、
とりあえず雰囲気を感じ取ってもらう為に下記画像をご覧下さい。
これはマッキーさんとぴぽにあさんの
『試合内容(試合展開)別の勝率』を表したものです。
例えば大連鎖勝負ならマッキーさんが43.7%の勝率に対して、ぴぽにあさんは63.7%みたいな感じです。
どうでしょう?
このデータにおけるそれぞれの定義は後で説明するとして、パッと見これだけで一応それっぽく興味そそられたりしないですか?
(しますよね的な反語表現じゃなくて、みんなが率直にどう思うのか知りたい)
マッキーさんは大連鎖勝負になると43.7%と少々苦手としているから大連鎖勝負に持ち込めば勝機が出てくるとか、ぴぽにあさんは序盤・全消しでの勝率が12.5%と悪いから速攻で攻めるのが有効かもとか。
ぷよや選手をあまりよく知らない人がこれをパッと見た時そういうのがデータからすぐ読み取れるのであれば、ひとまずデータとして意味は出てくるのかなと私は思いましたが、どうでしょう。
ちなみに上記のマッキーさんのデータは最強リーグの
『マッキーVSmomoken』から、ぴぽにあさんのデータは
『ぴぽにあVSともくん』の30先からそれぞれ取りました。
なので、実際はぴぽにあさんが序盤・全消しに弱いということでは全然なくて、たまたまその戦いでともくんの序盤速攻みたいなのが刺さりまくってたのが如実に表れただけです。
もちろんマッキーさんも大連鎖勝負に弱いんじゃなくて、対戦相手のmomokenさんの大連鎖が強かっただけです。
ちゃんと個人で色んな対戦相手とのデータを重ねていけばこんな露骨に表れることはないと思います。
これは
『そういう試合展開になった時の勝率』なので、個人の勝ちパターンを示すデータにはなりません。
個人の勝ちパターンが知りたいのであれば、個人の全勝利パターンからそれぞれの勝利パターンの割合を出すべきでしょう。
どういう試合展開を好むのか(selvaさんは中盤を好むみたいな)っていうデータが知りたければ、統計を出せば分かりそうです。
ちなみに私が上記で取ったデータから出すと(数値は
勝った数/その展開になった試合数)
|
序盤・全消し |
中盤 |
終盤・本線 |
大連鎖 |
セカンド |
乱戦 |
マッキー |
4/5 |
9/15 |
9/14 |
7/16 |
1/2 |
0/1 |
ぴぽにあ |
1/8 |
7/11 |
14/24 |
7/11 |
1/2 |
1/2 |
といった感じになり、ぴぽにあさんは比較的序盤勝負が多いとか、マッキーさんは大連鎖勝負が多いみたいなことが読み取れます。
(その実、このデータはそれぞれ30先1マッチからしか取ってないので、たまたまマッキーVSmomokenではそうなったってだけなんですけれどもね。これも個人でデータを重ねていけば傾向は徐々に見えてくるのかなとは思います)
ここまで見れば
「なんだ、割と面白そうだし、ないよりマシだからやってみればいいじゃん」みたいに思う方もいるかも分かりませんが、中盤とか大連鎖みたいな定義が中々に大変で、自分でやってて
何か違う感じがしてきました。
とりあえず上記データを取った私の定義を説明していきます。
1つの試合を、主に
『試合の決まり方(勝者視点)』を軸として下記6種類のいずれかに分類しました。
1.序盤・全消し:全消しが発生したらその後の展開を問わずここに分類。また、速攻はもちろん、土台が完成した直後(中盤戦に入るか入らないか)くらいの仕掛けが発生してもここに分類。基本的に目指している土台がうまく作れなかったみたいな時に勝負する力の指針。
2.中盤:そのまま中盤戦で潰したみたいな試合はこれ。8連鎖催促とかでも、土台を削っての催促で勝利とかでもこれ。中盤で有利を取った後の本線で勝ったみたいな試合は次の『終盤・本線』に分類したが、中盤でほぼ明らかに勝ち確定レベルまで潰した場合は追い打ち本線があってもここに分類した。
3.終盤・本線:基本的に土台を使い切ったものを本線と定義して分類。暴発して短くなってても土台を使い切れば本線。残りがあっても撃った連鎖以外に連鎖の芽がないようなオブジェだった場合も本線として分類。ただし序盤の速攻に対して本線で返して勝ったみたいなのは、序盤として分類。ところが中盤の催促に対して苦し紛れで撃った本線で勝った場合は、ここに分類。12連鎖以上は次の『大連鎖』に分類。試合内容としては中盤有利取ってそのまま勝ち的なものが多かった気がする。
4.大連鎖:12連鎖以上の連鎖で勝った場合は基本ここに分類。それが直接の原因でなくとも、例えば赤玉1個相手に行って勝ち確定レベルでの勝負が続いて勝った場合もここに分類。ただし、撃った12連鎖以上のものがセカンド以降のものだった場合は『セカンド』もしくは『乱戦』に分類。連鎖を伸ばしきれたものは基本ここに分類されてるはず。
5.セカンド:大連鎖を撃ち終え一度フィールドがおおよそ綺麗になった後、お邪魔のラリー状態をやっているうちに決着が付いた場合にここに分類。返ってきた本線のお邪魔を一度セカンドで返しきる必要がある。ラリーが終わった時相手に勝ち確定レベルのお邪魔が着地してそのまま勝ちきれば、ここに分類。ラリーが終わってもまだ勝負になるレベルの状態であれば次の『乱戦』に分類。ラリーが続いてサードになろうがフォースになろうが、前述の条件で分類。
6.乱戦:本線撃った後など、なんやかんやあって勝負が五分五分くらいまで戻ったらここに分類。激しい中盤のうちに本線を削りきっても勝負は続きそうみたいになったら本線撃ってなくてもここに分類した。よく分からない。
という
私の主観バリバリで試合を分類していきましたが、見ての通り
曖昧過ぎるんです。
序盤、中盤、終盤みたいな時間的な要素もあれば、連鎖が大きいとかセカンドとか連鎖の中身に触れているものもあります。
このデータのポリシーというか何というか、軸になっているものがブレているのでデータとして使えるレベルの質をしてないと思いました。
序盤の速攻でぐちゃぐちゃした状態って、結局乱戦みたいな戦いを勝ちきる力じゃないの、みたいな。
その辺はやっているうちに薄々気づいたんですけれども、実際試合を分類していくと分類があまりに難しかったんでこうなってしまいました。
記録する人によって多少の主観が入るのはいいにしても、人によって
てんでバラバラになるようなものはやっぱダメな気がします。
と、いう訳で私には難しい話だったということが分かりました。
データの考え方からして根本的に間違えているような気がしなくもないです。
でもまた暇な時に何か思いついて気分がのったら、思いついたものを記事にしていこうかなと思います。
ぷよじゃこういった踏み込んだデータって作れないのかなぁ。
――ざ追記――
次またスタッツの記事書くことがあったら載せてみようと思って作っていたものを雑に載っけてみます。
下記は最強リーグシーズン1の結果から得た、momoken VS マッキーの試合内容別勝率です。
シーズン1の最終日の試合、マッキーさんが勝った試合ですね。
例によってサンプル数が少なすぎるので一概に言うことはできませんけれども、これを見る限りうまく中盤戦をいなして大連鎖勝負に持ち込めれば(中盤の調子が良くなかった?)momokenさんにも勝機があったかもしれません。
反対にマッキーさんは12連鎖未満での勝負で圧倒しているので、今回もmomokenさんの鉄壁の牙城を崩すことが出来るか――みたいなことが次の同じカードの試合前にアナウンスできそうです。
せっかくなので、入れ替え戦のデータも雑に載せておきます。
下記は入れ替え戦を通した(多分全試合)SAKIさんとDELTAさんの試合内容別勝率+αになります。
試合傾向は『その項目の試合数/全試合数』で、その人が戦うとその確率%でその展開になるみたいな意味になります。
相手との兼ね合いもありますし、そもそものサンプルデータが少ない上比較対象も少ないので、あまり参考にはならないと思います。
勝利傾向は『その項目での勝利数/全勝利数』で、その人が勝つときどういう試合展開が多いかというものになります。
その人の得意?な勝利パターンと見ていいと思います。まぁ、データが少ないので参考には(以下略
敗北傾向も載せるとその人の弱点(負けパターン)も分かるので、面白かったかもしれませんね。
試合巧者指数は『試合傾向×勝利傾向の各項目の合計値』になります。
これ何?と思うかもしれません。(0.00~みたいなのに意味はなく、右下の26.37と28.53の数値だけ見ればおkです)
私としては『自分の得意な勝利パターンの展開に試合をうまく運べているか』みたいなことを試しに表してみたかったんだと思います。
この数値は強い人が高くなるとは限りません。
例えば大連鎖勝負でしか勝てないただの雑魚でも、試合内容が大連鎖ばかりなら大連鎖勝負で負けまくっていたとしても高い数値が出ます。
あなたはちゃんと自分の強みが分かっていて、その強みの土俵で戦えていますねということです。
逆に勝利傾向が中盤戦によっているのに大連鎖勝負ばかりしているみたいになると、例え強くても低く評価される仕組みになっているはずです。
上記で言えば、SAKIさんの方が勝利数は多いのに試合巧者指数が低いのは、SAKIさんの序盤での勝利傾向が高いにも関わらず試合傾向が低かった影響だと思います。
データは言っている、「SAKIはもっと序盤で戦うべきだ――と」…………こういう感じです。もちろんデー(以下略
本当は強いはずなのに相応の成績が出ていないみたいな時は、この試合巧者指数を見てちゃんと自分の得意な土俵で戦えているか、苦手な土俵ばかりで戦っていないか確認してみる――みたいな方向で役に立つかもしれません。
こういうふうに個人単体の数値だけ出すのってあんまりピンとくるものがなくて、もっとこう全体の平均だして偏差値を出してみるみたいな出し方をするとより分かりやすくなるのかなと思います。
例えば序盤の試合傾向が8.6%と言われてもそれが高いのか低いのか分かりませんが、偏差値として62みたいに出してやると一発で「たっか」って分かります。
数字大好きな私としては一度出してみたかったのですが、それをやるためには全部集計しなければならないので割愛しますけれども。
ちなみにですが、この入れ替え戦のデータを取った時に興味深いデータが出てきました。
入れ替え戦は基本5先2セット先取で決勝のみ30先みたいな形で行われていたと思うのですが、試合内容を見ているとこのお二人の決勝以外の5先2セット先取では足して30試合以上やっても大連鎖勝負が1試合しかありませんでした。
このお二人が戦った決勝の30先では11試合もあったのに、です。
もしかしたら5先だと神経尖らせて中盤戦をバシバシ仕掛けていくが、30先と少し長くなると中盤戦をする神経もすり減り大雑把に大連鎖勝負になっていく――みたいな傾向があるのかもしれませんね。
早回しで記録していった雑データでしたが、思わぬ発見もあったりしたのでなかなか面白かったです。
分類をする際の軸ですが、序中終盤の定義を発火時の盤面のぷよ数で定義(これは各機種によって変動)、本線か副砲かの定義も盤面のぷよ数の過半数以上を消費するか否かで定義すると多少定まるように思います。
その上で分類するとしたら、勝敗別で「最初に動いた方の発火タイミング及び連鎖量(有利不利変動のきっかけ)」と「最後の決め手となった連鎖の発火タイミングと連鎖量(勝ち筋)」を合わせるのが良いのではないでしょうか。例えば、「2p中盤での多色一連鎖」→「1pセカンド十三連鎖余りぷよ0個で1pの勝ち」などです。ここからもし情報量を増やす(分類を細かくする)ならば、「2pぷよ数48個 4-5二色一連鎖クイック」→「1pセカンドぷよ数52個 連結連鎖無し十三連鎖余りぷよ0個」と書けますが、ここまで細かくすると観戦者向けデータというより競技者の自己分析向けデータになりそうな気もしますので、観戦者用であれば先に挙げた例くらいの情報量で十分に思います。
ただ、有利不利変動のきっかけとして最初の動きとなった連鎖を軸に挙げてみましたが、両者本線シンクロ発火でそのまま勝敗がつくことも稀にあるので、中盤以降に作成した3連結の数などで有利不利の変動を数値化してみるのもありかもしれませんね。数の理論を一様に当てはめれば、3連結が多いほど本線勝負において不利になりやすくなりますから。
大変興味深い話を有り難うございます♪
なるほど、発火時の盤面におけるぷよの数や連鎖に使ったぷよの数というのは考慮していませんでした。
ただそうなると、例えば本線撃ち合った後五分五分の乱戦になって、勝負の決め手がフィールドほぼ空の状態で撃った2ダブだったみたいな試合ってどう評価されるのでしょうか?
ザックリですが序盤-副砲で勝利みたいな記録になっちゃわないです?
そういう試合って私としては『乱戦を勝ちきる能力』として評価出来るのかなと思っているのですが、machine322さんの仰る記録の方法で記録したとして、どういう指標として活かすことが出来るのか私の方ではちょっと想像出来ませんでした。
通じなかったら申し訳ないのですが、例えば野球でヒットを打つ確率(打率)が知りたいってなった時は『ヒットか凡打』みたいな記録があれば良くて、別にライト方向へのヒットみたいなデータは必要ないと思うんです。
ライト方向へのヒットみたいな記録は『打者がどういう打球を打つ傾向があるか』というデータを出したい時であれば有効に活用できそうです。
machine322さんが示して下さった方法で記録を行ったとすると『野球のスコアブックのようなデータ』になってくれそうで、それはそれでとても有効に活用できる記録になるのかなとは思うのですが『得意戦術のようなプレイヤーの個性が一目で分かるデータ』が見てみたいとなった時にその記録から出すのは難しそうだなと思いつつ、今もその記録からどうにかデータとして出せないか考えてます。
得意戦術のようなプレイヤーの個性が一目で分かるデータを出したいとなった時に、何か思いつく記録の方法や良いデータの出し方はありますでしょうか?;;
返信ありがとうございます。
本線撃ち合って五分五分で空のフィールド状態から作ったニダブが刺さったというのは、セカンドとは呼べませんから、仕切り直した後という情報を何かしら付け加えた上で「速攻」と呼ぶべきではないでしょうか。そして、速攻は有利不利変動のきっかけにはなり得ても致死量を送る事はまず無いと考えています。機種に依るかもしれませんが、有利が取れるレベルのお邪魔ぷよを送れるニダブが撃てるタイミングは既に中盤へ突入しているように思います。ですから、完全に五分五分であるという盤面が本線の撃ち合い後に発生したのであれば、仕切り直しという表現を使えば「仕切り直し後の速攻」→「序盤五連鎖」と記録できると思います。
で、そうした勝ち方が比較的多い(あるいはその動きをした場合の勝率が高い)というデータは、例えば観戦者向けに表現するなら「相手の時間を削るためにギリギリの量で後打ち本線を発火することが多く、相手のセカンド込みで五分五分の展開になることが他プレイヤーと比較して多い。仕切り直した直後の序盤での速攻戦術も得意」と細かく表現すべきだと思います(これは私が想像したものなので、もしかしたらgesoir91さんが想定したものと違うプレイヤー像かもしれません)。五分五分になるのはそれ相応の理由がその手前に存在するはずなので、そこを省くと五分五分に持っていく能力が無かった事になってしまいます。この部分はまさに得意戦術として抽出できる部分だと思うので、省くのは勿体なく感じます。ただ、乱戦を勝ちきる能力という抽象的な表現が得意戦術として認識できないのが私だけかもしれないので、それで十分かもしれません。
データの出し方は、例えば私の方法で記録を取れば「有利不利変動のきっかけ」と「勝ち筋」の相関関係を出せます。因果関係があるかどうかはもっと色々調べないといけませんが、少なくともそれだけでかなり見た目が面白いグラフは作れそうに思いますが、いかがでしょうか。
なるほど、なるほど。
完全には理解仕切れてない上に間違っている可能性もありますが、machine322さんのおっしゃる記録の扱いが分かってきたような気がします。
私はザックリ『試合展開』で分類しましたが、machine322さんは要するに『勝因』と『決まり手』をある程度『タグ付け』のような感じで分類(記事にある私の6種類よりかなり多く分解できそう)して、そこからその組み合わせなり勝因なりをピックアップして取り扱い、そのプレイヤーの傾向を掴もうとしている――という認識で合っていますでしょうか?
まだちょっとデータとしてのうまい出し方が想像しきれませんが、ちゃんとしたポリシーが出来あがりそうで、少なくとも私の考えたデータよりは精度の高いデータが出せそうな気がします。
試合展開はどうあれ結局必要なのは『勝因と決まり手における状況』だという考え方は、よりプレイの本質を捉えた考え方だなという感じがしました。
ご説明下さりありがとうございました。
こう考えるとぷよって興味深いデータが意外と出せそうで、試合もコンテンツ自体も更に面白いものになれそうな気がしてきますね♪