1075

あかじこう積みの組み方 実戦編1 ~連鎖尾側の妥協形の組み方~

by
アイソスタシー
アイソスタシー
 前回投稿した「あかじこう積みの組み方」(←字部分をクリックで前回の記事へ)の記事を見て、あかじこう積みに挑戦して下さっている方もいて、とても嬉しいです。

 前回は、初手回りの手順狙う理想形を記事にしましたが、実戦では下のような理想形を組めるツモが毎回来るとは限りません。そこそこの割合で妥協形を組む必要が出てきます。今回から、実戦編という事で、そんな困るツモの対処法として妥協形の組み方を記事にまとめてみました。

 まず今回は下図の連鎖尾の青色部分がこのように理想形に組めない場合の妥協形とその組み方を紹介します。

 
 理想形

 今回紹介する妥協形以下の3つと、その鶴亀バージョンになります。これだけ覚えておけば、連鎖尾側でツモがかみ合わない時も大体捌けるようになります。連鎖尾側の妥協形の引き出しが増えると、ツモ捌きが楽になるだけでなく、その分折り返しを優先する事も出来、隙の少ない良型のあかじこう積みが組める確率が増えます。
     
 妥協形 [1]       妥協形 [2]      妥協形 [3]






連鎖尾側の妥協形 ~雪崩の理想形が組めない時~

 連鎖尾の雪崩の理想形が組めない時とはどんな時でしょうか?図1の連鎖尾の青色の形を目指すのがあかじこう積みですが、この理想形はツモによって組めない事が多々あります。
 例えば、図2の場面での置き場所に困るため、1列目に置きます(図3)。(11縦置き、12横置きちぎり、どちらもありです。)本来は1列目は青青など同じ色を縦に置くのが理想形です(例、図1)。しかし、図3のようにに置くしかない場面はそこそこあります。この時点で理想形からずれますが、これでも連鎖尾を入れる事が出来るので、その形を紹介します。


 ※視聴環境によって、図1aなどの図の名前がその図の左下にあるという構図がずれてしまう場合があります。図のナンバリングは左から順番にa,b,c...と付けているので、ずれている場合はその順番を数えて参照してみてください。(見辛くて大変恐縮ですm(_ _)m)


    →  
図1        図2         図3


妥協形[1] 1段底上げの雪崩(鶴亀)

 雪崩系の連鎖尾は、3列で構成される連鎖尾なので、1~3列をぷよで1段ずつ底上げしてその上に同じ形を組んでも、当然同じ消え方をします。この性質を利用する事で、上で図3のように置いた所から、図4のようにで1段上に底上げしての連鎖尾を本来1段下に置くはずだったのと同じ形に積むことで、土台の黄色の次に消える緑の雪崩連鎖尾になります。

 →  → 

図3(再掲)      図4        図5

 この時、3つ同じ色(ここでは青色)で底上げした場合、その上の緑の雪崩の上にを1個置けば、の次に挟まれていた(潜り込ませてた)が消える形になります(図5)。 【図5のシミュ】 ←太字部分をクリックでぷよシミュへ。リンク先のシミュ上の進むボタンで連鎖が進行します。

 この時、ごみぷよとして底上げに利用する色は上の図5のように青3個だと綺麗ですが、そう組めなくても最低でも同じ色2個を繋げておくと、次の潜り込みの連鎖尾のタネとして利用しやすくなります。図6のように青2個・紫1個で底上げした場合、緑の雪崩の上に青を2個置けば連鎖尾として入ります。さらにその上に紫を3個置けばの次に連鎖尾に入ります(図7)。
 →  → 

図6        図7        図8

 そうして、その上はもりもりと雪崩を組んで伸ばす事が出来ます。この時、なるべく1列目(端の列)を優先してぷよを置いていくと組みやすいし、連鎖尾として入りやすいです。例えば図8のように伸ばしていく事が出来ます。
【図8のシミュ】 ←字部分をクリックでぷよシミュへ。リンク先のシミュ上の進むボタンで連鎖が進行します
 

 これらの妥協形を知っていると、上の図2のようにゾロじゃないツモを1列目に置く事が出来たり、下の図9のように1列目に1個を置いてもう1個のを待つ前に緑ゾロが来たらそのまま1列目に縦置き事する事が出来るようになるなど、ツモ捌きの幅が格段に広がります。つまり、連鎖尾のしっかり入ったあかじこう積みを組めるツモが格段に増えます。

 →  →  → 
図9a         図9b          図9c         図9d    


 また、この1段底上げの技術を知っていると、雪崩のもう少し上部でも同じ技術を使う事が出来ます。図10のように、青色の雪崩の上に緑を1~3列目に1段敷いてその上に紫の雪崩を組むことも出来ます。(黄色黄色の順に連鎖尾が入ります)これは第二折りGTRにもなりそうな強い形です。これを知っていると、より上部で、中盤以降に理想の雪崩系が組めないツモに出会った時にも柔軟に連鎖尾を組む事が出来るようになります。

図10 【図10のシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。


【実戦手順】
 最後に、この妥協形を実際のツモで僕が組んでみた手順のリンクを乗せます。実戦想定でネクストは1個のみ表示で、上部の伸ばしのみネクネクを確認して組みました。(猪瀬イノ(イノセンス)様のぷよぷよ連鎖シミュレーター)下のURLをクリックでシミュへジャンプ。1手進むを押し続ける事でぷよが置かれていき、最終的に発火されます。

 http://www.puyop.com/s/_nuia6GcG7Gjs8Ab8iMmC6M7amyo88IoE8GncbkcMginii8dgesjA9wmAhob0
 
 手順があまり綺麗ではないかもしれませんが、このようにツモを捌いて、このように繋がる連鎖、というのがなんとなく掴めれば幸いです。

【手順解説】
 ・7手目:が遅いのでで4列目を埋めてしまいます。を4列目に置いて2-2階段にする妥協形です(次回紹介予定です)。
 ・8手目:の置き場が無いので、1列目に縦置きします。(この時点で、この章で紹介した妥協形狙いにシフトします。
 ・9手目と11手目:ゾロで折り返し側を組み進めます(やや隙があるかも?)
 ・12手目:を1・2列目にちぎり、上の図5のような1段底上げの緑の雪崩を狙いに行きます。
 ・15手目~17手目(紫ゾロ)で、隙のあった折り返しを一気に進めます。
 ・19手目(2縦)→21手目(32ちぎり)で、図5のような1段底上げの緑の雪崩が完成します。
 ・その先は、を連鎖尾に入れるために黄色2個潜り込ませてを置きます。出来れば最後黄色を回収したかったですが、ツモと頭伸ばしの関係上入れられませんでした。

 


妥協形[2] 2~3列目に2個潜り込みを入れる

 下の図11aのツモが来た時、4列目にを置いて土台の連鎖尾を完成させたい所です。このように、1列目は青を2段置けたけど2列目か3列目に別の色を置かなきゃいけなくなった場合(図11a→図11b)、2・3列目に別の色(ここでは黄色)を潜り込ませて2・3列目を1段ずつ底上げする事で連鎖尾を繋げる事が出来ます(図11c→図11b)。このように配置したは、ちゃんと土台のの次に消えてくれます(後述)。
 →  →  → 
  図11a          図11b         図11c         図11d

 このように雪崩系の連鎖尾で1列目が2段の場合、2列目、3列目をそれぞれ1段ずつ底上げしても連鎖尾として消えます。これは消える時の形を見れば分かりやすく、理想形の場合(図12a→12b→12c)と、潜り込みで底上げした場合(図13a→13b→13c)、どちらも同じタイミングで4個繋がる形であることが分かります。この潜り込み技術は色んな連鎖尾で頻出なので覚えておいて損はないかもしれません。

  →  → 
図12a         図12b         図12c
→  →  → 
図13a         図13b         図13c         図13d


 この2個潜り込ませる置き方を知っていると、上の図11のケースのほかに、下の図14aのように4列目4段目の色()と干渉してしまい、が3列目3段目に置けなくなった時にも重宝します。(2列目、3列目のをそれぞれ1段上に置けば良い。(図14b))
 また、これを逆算して、折り返しの上部に座布団を敷くためにあえてこの連鎖尾にするというのも手です。図14cでは、座布団を敷けるのは青色だけです。なので連鎖尾を妥協形にすることで座布団を敷けるようにします。たとえ座布団が敷けなくても4列目4段目青色を置く事は多重折りを組むうえで良型になります。(4列目4段目にはできれば置きたくないです。)

  →     
 図14a         図14b           図14c


 以上紹介した2個潜り込みの妥協形ですが、その続きの黄色の連鎖尾の組み方は、例えば下の図15~図18が挙げられます。

 → 
図15a        図15b

 図15aの上はそのまま雪崩をもりもり組んで行けます(図15b)。
【図15bのシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。
 →  → 
図16a         図16b         図16c

 図16aは1列目の黄色の下にを1個潜り込ませています。これでもの次に黄色が消えるのは上の図13c→13dを見ると分かります。この潜り込ませたを例えば図16bのように置けば、潜り込みの連鎖尾として黄色の次に消えてくれます。その上はそのまま雪崩をもりもり組んでいけます(例、図16c)。
【図16cのシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。

  →  →   
図17a          図17b         図17c

 図17aの次に黄色が消えてごみの無い綺麗な形ですが、このままでは上に連鎖尾を組めないので、図17bのようにの下に同じ要領でを2個潜り込みをさせて連鎖尾を繋げ、その上に雪崩を組んでいく事になります(図17c)。
【図17cのシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。
 →  → 
図18a          図18b         図18c

 図18aのように黄色を2列目にもう1個連結させると、その上に直接雪崩をもりもり組めるようになり、単純なので組みやすい形と言えます。
【図18cのシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。


 これらの潜り込みのテクニック図13a・図16b・図17b)を覚えておくことで、より柔軟にツモを捌いて連鎖尾を伸ばしていく事が出来ます。色んな連鎖の連鎖尾にも応用できる有用なテクニックと言えます。



【実戦手順】
 最後に、この妥協形を実際のツモで僕が組んでみた手順のリンクを乗せます。実戦想定でネクストは1個のみ表示で、上部の伸ばしのみネクネクを確認して組みました。(猪瀬イノ(イノセンス)様のぷよぷよ連鎖シミュレーター)下のURLをクリックでシミュへジャンプ。1手進むを押し続ける事でぷよが置かれていき、最終的に発火されます。

http://www.puyop.com/s/_0miqaagq6GcGgwbSfsb8gm5yiMhGiM180Mcy3Si87C8shk2CfI3C8gfC7Q6g6g1mcgdghI2sd0


【手順解説】
・9手目:を4列目に置きたく、を4縦し、この時点での連鎖尾の理想形は無理なので妥協形を狙います。
・10手目:妥協形[2]妥協形[3](後述)を狙って、2個目のを1列目に積んで青2段の形を作ります。
・11手目:黄色を2個潜り込ませるため、をちぎります。この時積んだ1列目緑2個は回収しやすい形です。
・13~15手目:黄色で折り返しを進めます。15手目の黄ゾロは多重を見据えて6縦します。
・17~19手目:赤ゾロ青ゾロで多重を組み進めます。ここまで折り返し側重視で組んでいます。
・21~23手目:で連鎖尾の妥協形[2]を完成させ、黄色の潜り込みも回収できました。
・その後は頭伸ばしをしつつ、連鎖尾のを同時消しで回収し、ツモが良かったので多重を完成させつつ上部まで伸ばせました。




妥協形[3]  1・2列目で2-2階段を作る

 あかじこう積みは、発火後に連鎖が土台の1・2列目に差し掛かった時(図19aの土台の赤色部分が消えた時)、1列目が1段、2列目が2段下がるので、相対的に2列目が1列目に対して1段下がるずれが生じます。よって、1・2列目に2列目が上の2-2階段(3-1や1-3階段でもよい)を作る事で連鎖尾を繋げる事が出来ます(図19b)。

 → 
図19a          図19b 

 これも、1列目に2段置いた色(ここでは)がその後中々来ず、他の色を置きたい時に使える形です。1つ上で紹介した、2個潜り込ませる置き方を狙った時に(図20a→図20b)、ツモ次第でこっちにも行けると覚えておくと便利です(図20c)。

 →  → 
図20a          図20b         図20c    

 この形も上で紹介したのと同じく、潜り込みの要領で連鎖尾を伸ばして行けます(図21a)。さらにその上は雪崩でも潜り込みでも伸ばして行けます(図21b)。代表的な連鎖尾の伸ばし方を図21~図24に紹介します。


 → 
図21a          図21b 
図21bのシミュ字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。
 → 
図22a          図22b 
【図22bのシミュ】字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。
 → 
図23a          図23b 
【図23bのシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。

 →  → 
図24a         図24b        図24c
【図24cのシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。


 ここで紹介した階段型ですが、それをそのまま1段や2段ずつ上にずらして作っても同じように消えます(図25)。一番上で紹介した1~3列目を1段ずつ底上げしても連鎖は同じように繋がるという原理です(鶴亀という技術)。これを覚えておくと、さらに難しいツモにも対応できます。底上げに使ったぷよは、その上の雪崩の上に置く事で連鎖を繋げる事が出来ます。
 鶴亀は一見凄い事をしているように見えて、ただ1段ずつ上にずらして作るだけなので、意外と難しくないです。慣れればすぐ習得できるので、覚えておくと色んな連鎖尾に応用出来るようになり強いです。


図25 【図25のシミュ】
字部分をクリックでシミュへ。ぷよシミュの進むボタンを押す毎に連鎖が進行します。


【実戦手順】
 最後に、この妥協形を実際のツモで僕が組んでみた手順のリンクを乗せます。実戦想定でネクストは1個のみ表示で、上部の伸ばしのみネクネクを確認して組みました。(猪瀬イノ(イノセンス)様のぷよぷよ連鎖シミュレーター)下のURLをクリックでシミュへジャンプ。1手進むを押し続ける事でぷよが置かれていき、最終的に発火されます。

http://www.puyop.com/s/_nuim6GcG7Gjs8SbQiMmC687km8o88yoq8inwbicygGnai8dEeojm9CmAhMbElank68lg7Kes70


【手順解説】
・7~8手目:で折り返しを先に進めます。
・10手目:を4列目に入れたく、を3列目にちぎったため、連鎖尾は妥協形に決まります。
・11~12手目:妥協形[2]妥協形[3]を狙ってを1列目に2個、2列目にを潜り込ませた上に1個置きます。
・13手目~14手目:1列目にを潜り込ませて連鎖尾での回収を目指します。
・16手目:4列目にを置いて土台を完成させたい&2連結にはさせたくないので3列目にもう片方のをちぎります。これにより、妥協形[2]は無理になり、妥協形[3]2-2階段を目指します。
・17手目:緑の2-2階段が完成し、妥協形[3]に組みました。
・その後は、連鎖尾を黄色と入れつつ、多重を組み、上部まで伸ばして14連鎖に出来ました。
折り返し側を優先して、連鎖尾側を後回しにして妥協形でしっかり連鎖尾を入れられたので、大連鎖が組めたのだと思います。





おわりに

 前回の記事「あかじこう積みの組み方」を読んだだけでは、ツモが悪い時にあかじこう積みが組めない事が出てきます。

 そこで今回は、あかじこう積みの組み方 実戦編1という事で、連鎖尾側の妥協形を3種類を詳しく紹介しました。

 連鎖尾重視の後折りと言えども、やはり折り返しをある程度は優先しないと隙が辛いし愚形になりがちです。そこで、連鎖尾側の妥協形をこれだけ使い分けれれば、折り返しへツモを優先的に置くことが出来るようになり、愚形率少ないあかじこう積みを組む事が出来るようになります。

 僕自身、手順・ツモ捌きがそこまで上手ではないですが、少しでも参考になれば幸いです。
 コメントでご指摘・アドバイス・質問など歓迎です!

 次回は、「あかじこう積みの組み方 実戦編2」(←クリックで記事へ)として、真ん中L字部分の妥協形折り返し側の妥協形の記事を投稿しましたので、そちらも是非ご覧ください!
 
 最後まで読んで下さりどうもありがとうございますm(_ _)m



謝辞
・「石川をぷよぷよで染める会」によるぷよシミュレーター-エディターを使用させて頂きました。
・猪瀬イノ(イノセンス)様のぷよぷよ連鎖シミュレーターを使用させて頂きました。
ここにて感謝を記したいと思います。

 
更新日時:2023/08/12 18:33
(作成日時:2023/07/31 19:46)
カテゴリ
連鎖
コメント( 0 )
コメントするにはログインが必要です
シェア