こんにちは。2Fと申します。
この度、対戦交流オフ会を開くことになりました。
その時にもしかしたら初心者が来るかもしれないので
以前の記事に書いた通り、カエル積みを教えたいと考えています。
ぜっとりさんの記事(私の記事を紹介して下さっています。ありがとうございます。)でもよいと考えていたのですが、もっともっと詳しく、カエル積みの魅力を伝えていきたいと感じたので筆を執り、ここに「カエル積みの教科書」を作りたいと思います。
これを読んでいる初心者の貴方、この記事に書いてあることがすべてできるようになれば貴方に教えることはもうありません。次からはライバルとして対等に接します。しかし、簡単そうに見えて難しく、奥の深い連鎖です。初心者の皆さんにもできるよう解説を頑張るのでよろしくお願いします。
対象となるレベルは「下を押しながら3連鎖を組めないレベルの人」です。ここから6000文字ガチガチに書いちゃったので
全部読むのが面倒な人は2章だけ読んでください。ゆっくりでも4連鎖まで組める人は3章をざっと読んだ後5章から読んでください。
目次
1.カエル積みとは
2.カエル積みを”運ゲー”とするのはもったいない
3.フィーリングバーサーカー
4.柱(縦3)だけで家は建たない
5.「フィーリングバーサーカー」の”先”
6.まとめ
1.カエル積みとは
適当にぷよを右3列に並べていき、運で連鎖を狙うフィーリング積みである。コツは同色のぷよをなるべく3個ずつ固めること。まったく連鎖にならないことも多いが、ときどき6連鎖以上の大連鎖を起こすことがあって好不調の差が激しい。
運の要素が強いので、当然ながらぷよの色数が多いほど不利になっていく。逆に2-3連鎖以上が成立するとまわりにある色の数が減ってくるので連鎖が伸びる確率が上がると推定される。(ニコニコ大百科より引用)
ニコニコ大百科にカエル積みの記事があったので引用しました。通常の解説記事ならこれで十分ですし、先述した私の記事もレッドリさんの記事もここまでしか書いていません。しかし、よくよく考えてみるとこれだけ投げても「結局運ゲーでガチ勢に勝てないんだから『階段積み』や『カギ積み』からやる」「運ゲーやるより自分で連鎖を組んだ方が楽しい」という声に黙らざるを得ません。いや、別にいいんですが、そういう人に限って「欲しい色が来ないクソゲー」とか「こっちが組んでるのにつぶし撃ってくるから連鎖が組めない」とかぷよぷよの面白さに気づけないままつらい思いをして辞めていくような場面に何度も遭遇しました。最初から階段やカギを組むために頑張るのであれば、それが相当な茨の道であることを覚悟して臨んでください。覚悟ができたのならあなたはガチ勢です。厳しいようですが甘えは許しません。とこぷよで下を押しながら6連鎖を組めるまで頑張ってください。それができたらまた会いましょう。
2.カエル積みを”運ゲー”とするのはもったいない
「カエル積みは運ゲーだから弱い」という声をよく聞きますし、事実運ゲーなのですが、初心者の皆さんがそれを言ってはいけません。理由は2つ。
- 貴方はまだその”運ゲー”よりも「強い連鎖」を組むことができない
- カエル積みには初心者にとって連鎖以上の価値がある
まず、前提としてぷよぷよは対戦ゲームであり、相手も同じく連鎖を組んでいます。そんな中でゆっくり階段積みをしていては飛んできた2連鎖で形を乱されて混乱した結果負けてしまうのが関の山です。
ぷよぷよの連鎖の”強さ”には「効率」の他にも「スピード」の軸が存在します。確かに
カエル積みは運の要素が多い以上効率が悪く、弱い連鎖に見えてしまうかもしれませんが、それよりも「ゆっくりじっくり組んでいる階段連鎖」のほうが弱い連鎖です。とっても非情な現実ですが、
逆にこの情報を持っているだけでゆっくり階段を組む友人たちをバッサバッサと倒せるようになります。覚えておきましょう。
連鎖とは「効率」×「スピード」です。『遅い階段、カエルのエサ。』
さて話を変えまして、
カエル積みにはぷよぷよを上手になるための練習の要素が詰まっています。
- 操作力(置きたい場所に置きたいようにぷよを置く力)
- アドリブ力(ネクストぷよを見る力)
- 連鎖力(2連鎖を見抜く力)
きちんと意識すればこれらの力が育ちます。1つずつ解説していきます。
操作力
操作力と言っていますが、厳密にいうと「判断力」に近い能力です。自由落下で時間制限が数秒、そんな中で
「置きたい場所にぷよを置く力」は、「一瞬で置きたい場所を決める力」を持っていないと実現できません。「遅い階段」が遅くなってしまう最大の要因がこれです。
「頭の中のイメージに固執しすぎて(もしくそもそもイメージがなくなって)それ以外の形を受け入れられず、現在の組ぷよをどこにおいてよいかわからなくなる」瞬間にぷよを置く手が止まります。
カエル積みは「右三列に積み上げる」というルール以外基本的にこれといった形がないので止まることがなく、スピードを出しやすい、というメカニズムです。しかし、これからやってもらうカエル積み+1、通称「フィーリングバーサーカー」はこれに一つのルールが加わります。それは「縦3を作れ」というもの。この縛りが追加されたとたん階段と同じく遅くなってしまうことが予想されます。なのでこの記事では、「妥協する」ことを覚えてもらいたいな、と考えています。与えられた形から妥協しつつ形を変えていくことが実践的な強さにもつながりますし、実はカエル積みはそこまで織り込み済みの連鎖であることがわかりました。そのあたりまで含めての「判断力」「操作力」を身に付けていきましょう。
カエル積みはあくまでスピードが第一、操作が第一です。
アドリブ力
これは
「ネクストぷよを見て、どこに置くかを考える能力」で、操作力の段で説明した「判断力」の同義語です。実際には操作しながらこれを行う必要がありますので、操作を安定させる必要が出てきます。頭の中での操作に使うはずだった容量を減らし連鎖を組むことに使うわけです。階段をはじめとする連鎖はこの連鎖を組む容量が大きく、初心者向けではありません。操作でいっぱいいっぱいのところに形すら要求されては厳しいものがあります。始めのうちはカエル積みでも難しいでしょう。
しかし、
カエル積みでこれが習慣的にできるようになると、不思議とそれ以外でもできるようになってきます。カエル積みが要求する能力が「素早く3連結を作れ」に集約されるため、
3連結を作る能力が高くなり、連鎖の種を作る能力も同時に育つからです。
連鎖力
これはカエル積みを組み切った後、
「どこから発火するかを決める能力」です。カエル積みはどこから消すかを想定していない連鎖です。そのため、適当に消したのでは全く消えない、という状況が存在します。それを回避するため、最終的には「ここを消せば最低でも2連鎖になる」という色を見つけて消すようになってもらいたいと思います。あくまでも理想論、最終到達点であり、これを自在に操れるようになればもはやカエル積みは卒業すべきです。そこまでできるあなたにはカギ積みをお勧めします。自由度が高く、カエル積みを自由に操れるあなたになら使いこなせることでしょう。
つまり、
カエル積みを極めることができれば、連鎖を組むにあたって必要な要素がそろった状態からのスタートができます。連鎖の形を見ただけでどう消えるかを判断でき、実際にそのように組むことができるようになっているはずです。これこそが私がカエル積みを推しに推している最大の理由です。運ゲーとして食わず嫌いするにはもったいない形です。
3.フィーリングバーサーカー
さて、今回の記事の柱となる「カエル積みの組み方」の段になりました。ここまででカエル積みがいかに有用な組み方であるかをわかっていただけたかと思いますが、実際に組むとなると話は別です。難易度は低い方ですが「最高スピードを意識」しながら組み続けるには先述のアドリブ力が必須となります。そのためにもある程度の形やルールを覚えてから先に進みましょう。
先述した私の記事にも載せていますが、temaプロがカエル積みについてまとめてくださった動画があります。2分半でぱっと見めっちゃ強いのがわかると思うので目を通してください。
カエル積みの形を大まかに理解できたかと思います。
「右と下を押しながら」「右三列を埋めて」「全部埋まったら適当に消す」この三つがカエル積みの組み方です。決まった形がないので特に意識する必要はありません。
しかし、
これだけだと消えないことがあります。そこで登場するのが
「フィーリングバーサーカー」と呼ばれる連鎖。temaプロの動画で上級編として紹介される形です。私も調べていて初めてこの形がそう呼ばれていることを知りました。誰が呼んでいるのかは知りませんが一気に短くワッと消える感じが腕力!バーサーカー!って感じで気に入ったので私もこれに倣って「フィーリングバーサーカー(FB)」と呼びます。もともとカエル積みが「バーサーカー」とも呼ばれる連鎖であったことも関係していそうですがその考察は今回はあまり関係がないので省略します。
さて、FBには先述したカエル積みの組み方に
「(できるだけ縦に)3連結を作る」というルールが加わります。これを意識するのが意外と大変で、組ぷよの片方の色だけに意識が行き過ぎてもう片方が意図せずつながったり、そもそも色が来なくて縦3連結が作れなかったりしてきます。
では、縦3を作るために必要な考え方や技術とは一体何か。考え方は
「考えない」、技術は
「ネクストぷよを見る」。この2つです。
カエル積みを考えて組んでいては話になりません。スピードこそ最優先で、組んでから考えるのがカエル積みの真骨頂です。頭に置いておくのは
「縦3を作れ」の言葉だけ。それ以外の考えは捨て、3連結を作ることだけに意識を割きましょう。
4.柱(縦3)だけでは家は建たない
できるだけ縦に3連結と言ってきましたが、しかし
すべてのぷよを縦3連結にしたカエル積みは「理論値」にはなりません。これがカエル積みの真に奥深いポイントです。とても強い連鎖にはなりますが、
一見理論値のフィーリングバーサーカーは運で構成された大連鎖には勝つことができません。
この連鎖はいわばFBの「理想形」の一つです。たいたい
6連鎖分くらいの火力を出します。しかし、右3列分のスペースは3×12段=36マスあり(13段目を加えると39マス)、これだけのスペースがあれば
理論的には9連鎖を組むことが可能です。つまり、「
FBの理想形は理論値には程遠い連鎖である」と言えます。
なぜこのようなことが起こるのか。
縦3を作りすぎると連結数が増え、スペースをとりすぎてしまうからです。柱を立てれば家は頑丈になりますが、それだけ居住スペースを圧迫します。カエル積みでも
すべて縦3のFBは最強ではない連鎖になってしまうのです。
ではどのように組めばいいのか。何も心配はいりません。
今まで通り「縦3を作り」続けてください。矛盾しているように思えるかもしれませんが、実践してみると
思うように良いぷよは来てくれません。使えない、
3連結にならないぷよがどうしても生まれてきます。本来ならば「ごみぷよ」と呼ばれるぷよたちですが、ことFBにおいては3連結にかみ合う4つ目のぷよとしての最高の役割を果たしてくれます。無駄なスペースをとらず、必要最小限に、しかしそこにいてくれる
仕掛けぷよとして息を吹き返すのです。
貴方が「3連結を作る」ことをただひたすらにがむしゃらに行うほど、ぷよはそれに応えてくれます。
「ゴミぷよを作ってもいい」という心で適当に組んでいてはいけません。あくまでも理想形を目指し、しかしそれには届かず16種の組ぷよの壁に阻まれた者のみがFB最大の力を発揮します。目標を見失わずに走り続けましょう。
5.フィーリングバーサーカーの”先”
さて、ここまでお勧めしてきたフィーリングバーサーカーから2連鎖を見抜く連鎖力を身に着けたあなたは自在に2連鎖を作れるようになっているはずです。逆に言えば、それができていないレベルであればこの章の内容は少し早いかもしれません。
勘のいい方なら気づいているかもしれませんが、フィーリングバーサーカーの先、それは
「自力で組んだ2連鎖をフィーリングバーサーカーの発火点に組み込む」というものです。
この戦法はただ2連鎖を付け足す以上の威力を発揮します。
ぷよぷよのゲームシステムとフィーリングバーサーカーの連鎖としての特徴がかみ合うために起こりえた戦術であり、これをマスターできればいつしか5連鎖を下を押しながら組めるようになります。夢のような話ですが、ウソではありません。解説します。
まずぷよぷよのゲームシステムとして
「連鎖数が増えるほど威力は加速度的に増していく」「連結が多い方が強い」というものがあります。ちなみにここでいう「連結」は1色で10個つなげても、2色で5個ずつでも「10連結」として処理されます(1色のダブルだと点数が減ったりいろいろ計算式が変わりますが誤差なので考慮しなくて大丈夫です)。つまり、
「連鎖数が大きく連結の多い連鎖が最強」となります。(これをガチ勢仕様で実現する形が「弥生時代」と呼ばれる形です。ガチ勢ですら連結を意識して連鎖を組みます。)お手軽に火力を底上げできるのだから重要な技術です。
しかし、初心者なのに狙って連結を足せと言われても難しい。そこで登場するのがフィーリングバーサーカーです。ひたすら3連結を作り、
運に任せて一気に消えていく形であるFBは、連鎖の最後に位置する程火力が跳ね上がります。1連鎖増えるだけでも段違いに強いので、できれば1連鎖付け足して発火したいところ。欲を言えばさらにもう1連鎖付け足して発火したい……。2連鎖を見抜けるあなたに
FBの発火点に2連鎖を作ることができたら晴れて一人前のぷよぷよプレイヤーです。連鎖を自力で考え、次につながる形で
2連鎖を配置できるという能力は、「頭伸ばし」と呼ばれるぷよぷよ必須テクニックの一つ。一見難しく見えますが
種明かしをすればどんな連鎖も2連鎖の繰り返しです(ガチの世界ではそんなことは言ってられませんが追々考えていきましょう)。ここまでできるのであれば、「GTR」がどう消える連鎖かがわかることでしょう。そうなれば組むこともできるかもしれません。カギや階段にもチャレンジしてみると楽しいかもしれないし、いろんな形が存在して使う人がいることが分かれば観戦も楽しくなると思います。
6.まとめ
当初の予定の3倍くらい書いてしまいました。ここまで書くことがあったことに驚いています。ここまで読んでくださった初心者のあなたを素直に尊敬し、感謝と万雷の拍手を送ります。ありがとうございます。あなたはすごい。
実力的にもガチ勢の方が呼んでくださったのなら、わざわざありがとうございます。書いていることに共感してくださったのであれば、ぜひ次回初心者にぷよぷよを教える時にこの記事の内容をかみ砕いて伝えてあげてください。
カエル積みは初心者が最終的に階段連鎖までたどり着くまでの”補助輪”だと思います。連鎖をするという快感や連鎖の作り方を感覚で学ぶ連鎖を「弱い」「ダサい」と切り捨てるのはあまりにもったいないと感じたので記事にしました。以前の記事のまとめにも書きましたが「初心者御用達連鎖」を初心者のうちにやっておくことは、上達の一つのステージです。最近はどんなゲームでも動画や攻略記事が多く「初心者でいられる時間」が短くなっていますが、その時間こそ大切にすべき時間でもあると思いますので、この記事を読んで連鎖を組むことを辞めてしまっても構わないと思います。友達としたカエル積み対決はかけがえのない思い出です。全力でぷよぷよを楽しんでください。応援しています。ガチ対戦がしたくなったら声をかけてください。待ってます。今ならガチ勢入門くらいにはちょうどいい実力だと思います。
あまり長くなっても仕方ないのでこの辺で締めたいと思います。読んでくださって本当にありがとうございました。