1144

あかじこう積みの組み方 実戦編2 ~折り返しの妥協形の組み方~

by
アイソスタシー
アイソスタシー
 初回(←クリックでリンク先へ)で「あかじこう積み」の基本形の組み方と序盤の手順を紹介し、前回(←クリックでリンク先へ)は連鎖尾側の妥協形の形と組み方を紹介しました。

 今回は、あかじこう積みの
「折り返しの妥協形」について紹介していきたいと思います。
 
(次回は、あかじこう積みの雪崩の上の組み方のコツ・真ん中のL字部分の妥協形・左折り(リバシ)について紹介し、このシリーズを完結させる予定でいます。)
(ちなみに次々回に後折りGTR部分を組むコツと検証についてまとめる予定で、そちらも参考になれば幸いです。)
 
 初回の序盤ツモ毎の手順前回の連鎖尾側の妥協形と、そして今回と次回・次々回の内容までマスター出来れば、多くのツモで安定してあかじこう積みが組めるようになると思います。

 また、今回の内容は、あかじこう積みに限らず後折り全般に通ずる話だと思うので、後折りを組みたいけど上手く組めないという人にも参考になれば幸いです。



折り返しの妥協形

 まず折り返しの妥協形・手順を紹介します。前ここまでマスター出来れば、多くのツモであんていしてあかじこう積みが組めるようになると思います。
 また、後折り土台ではこれから紹介する折り返しの妥協形を組むことが良くあるので、あかじこう積みに限らず後折り土台を組む人全般に役立つ情報だと思います。



1. 中2連結のGTR

 中2連結のGTR(図1)は良型とは言えませんが、妥協形として組む頻度はそれなりに出てきます。先折りGTRは折り返しを優先するのそこまで頻出しませんが、後折りは連鎖尾側を確定させつつ折り返しを"そこそこ"優先させる程度なので、中2連結で妥協する事が先折りよりは多いように思います。
  

図1. 中2連結のGTR



1-1. 中2個GTRにするツモ

 それでは、どんなツモが来た時に中2連結のGTRにするのか見ていきます。


ゾロ2連続】

 これは多くの人が使っていると思います。このゾロ2連続で隙無く折り返しが進めるので、中2個GTRでも構わずに進めます(図2a→2c)。

 ※視聴環境によって、図1aなどの図の名前がその図の左下にあるという構図がずれてしまう場合があります。図のナンバリングは左から順番にa,b,c...と付けているので、ずれている場合はその順番を数えて参照してみてください。(見辛くて大変恐縮ですm(_ _)m)

 →  → 
図2a         図2b        図2c



【ゾロで3連結になる場合】

 図3aのように赤ゾロを入れると3連結になる場合、その後のツモで折り返しの隙を少なく組み進めやすいので、ネクストが緑ゾロでなくても中2個GTRを組みに行っていいと思います。あかじこうさんも実戦でこのツモではこう組んでいました(図3a→3b)。
 → 
図3a         図3b


【ハチイチ2連続】

 下の図4aのような場面で、が2連続で来た場合、図4b→図4cのように置いて、中2連結のGTRとして組み進めた方が良いかなと思います。この2ツモをスルーすると折り返しが遅くなりリスキーです。
 これはちぎりもあり、1個目のを置いた時点で中2連結が確定してしまうし、本線発火もそんなに近くないので、上のゾロ2連続よりは大分弱い手です。
 これより都合の良いツモは「以外のゾロ」か「X→XX」ですが、これらのいずれかが2手以内に来る確率は計42%です。それを待つよりはこういうハチイチが2連続で来た時に折り返しを組み進めた方が良いと個人的には思います。これは議論の余地がある判断だと思います。(コメントでの意見歓迎します。)

  →  →  →    
 図4a          図4b          図4c         図4d          図4e (を上の場合)

 また、この時どちらを上にするか選べます。図4aのような場合、を上にした方が配色関係上良いです。上のは出来れば図4dのように逆L字にしたい所です。その時、4列目4段目に置ける色はの2色です。しかし、もしを上にして逆L字にすると(図4e)、4列目4段目はしか置く事が出来ず、色制約・干渉が苦しくなります。ここまで見据えて咄嗟に判断して置くのはもう上級者向けですが、このハチイチ2連続の置き方はどっちでもよいではなく、優劣があるという事は記しておきたいと思いました。
 色干渉を避けるコツの一つとして、同じ色をなるべく近づけるというのがあります。(ここで言うと折り返しの上の緑連鎖尾の緑です。)近づけすぎてその色同士が干渉したら元も子もないので、難しい技術ですが。上の図4dの4列目4段目のようにという同色で挟まれた空間を作る事で、その間に置ける色が1色増えるのです。ここがもしで挟まれたら、が置けない分、置ける色が減ってしまいます。

 これらのツモ以外にも、例えばGTR部分が途中まで完成していて、ツモの流れで中2連結GTRになる事は稀にあります。
 もちろん中3連結にする事はかなり優先していきたいし、実戦の後折りGTRでも8割くらいは中3連結で組めます。残りの2割くらいが上のツモによる中2連結GTRになる感じです。
 次に、中2連結GTRになった後にどう組んでいくかを見ていきます。



1-2. 中2個GTRの多重の進め方

 上の図2cの中2個GTRで、このままで伸ばしてしまうと6列目の上の空間の大半を使い切れないので、緑ゾロの上にを置くなどし本線発火を遠くしないよう工夫しながら上へ上へ伸ばして多重に向かうのがコツだと思います。
 また、中2個GTRの上(ここでは)を図5aのように逆さL字の3連結にすると良型の多重になりやすいと思うので、積極的に逆さL字3連結にしていきたい所です。図5bのようにを縦3にするのは、逆さL字よりは大分愚形だと思います。(縦に伸びすぎて、4列目を使いきりにくいため。)
       
 図5a. (緑逆さL字、良型)   図5b. (緑縦3、愚形)

 多重の例を下の図6a図6bに示します。ここまで理想的に組める事ばかりではないと思いますが、積極的に狙って行きたい強そうな形です。
       
図6a←クリックでシミュへ  図6b←クリックでシミュへ



1-3. 中2個GTRのキーぷよ

 中2個GTRの場合、最後のキーぷよを2個置かなくてはいけないので、そこも一つの弱点です。

 ・図7aのように、キーぷよを置きたいけど2列目にちぎれないデビルのツモが発生する場合。
 ・図7bのようにキーぷよ1個置いた状態でお邪魔を食らうと、お邪魔を消さないと連鎖が繋がらなくなる場合。

 上のどちらもたまに発生してしまいます。なので、中3連結GTRと比べるとキーぷよ外しの意識は少し弱めて、キーぷよ2個を確定して言ってもいいかもしれません。
     
 図7a           図7b


 あるいはGTRのキーぷよは入れて、下の図8のように多重の部分でキーぷよ外し(ここではを外して、黄色発火4連鎖)をしておくというのも手かもしれません。(僕はまだそこまで柔軟にキーぷよを操れませんが;)

 また、下の図9のようにのキーぷよ1個の状態で中盤戦を発火すると、GTRの中が3個になり残しが良い対応になるので、覚えておくと強いかもしれません。
      
図8←クリックでシミュへ   図9←クリックでシミュへ






2. なめくじ折り返し

 あかじこう積みでは、他の後折りと比較してもなめくじ折り返し(図10)を組む頻度が高いです。なので、なめくじ折り返しに行くツモ、手順は覚えておきたいです。ちなみにあかじこうさんはなめくじ折り返しの手順が洗練されていてとても綺麗なので、なめくじ折り返しの組み方を学びたい方は是非アーカイブ動画を見て参考にすると良いと思います。

図10.なめくじ折り返し 
(連鎖が分かりやすいように多重は入れていない形です。)


2-1. なめくじ折り返しにするツモ

図11aの状態で紫紫orが来た場合はGTRを諦めてなめくじに向かいます(図11b→図11c→図11d)。なぜなら、このツモでGTRに強引に向かうと図12cのような置き方になり、受けが悪くとても苦しい形になってしまうからです。

 なめくじ折り返しを組むコツは、6列目3段目の色を優先して組む事です。図11cのツモでを65横置きにも出来ますが、それよりも66縦しての上の色を早めに置いた方が後々楽です。6列目が凹んだ折り返しはかなり苦しいためです。(ネクストがなら中のLを赤色にしなきゃいけないので、そのネクストに限りを65横置きします。)

 どうしても図11d黄色のL字部分の色が全く来なかった場合は、妥協形としてを5列目に置いてサブマリンとして繋げる事が出来ます(図11e)。

 →  →  →    
図11a          図11b         図11c         図11d         図11e (サブマリン)
 
 →  → 
図12a          図12b         図12c



・次に、こちらはあかじこうさんが実際に組んだ手順です(図13a~13g)。

 ・図13a、ネクストが青ゾロでなければ23にちぎる手もありますが、そうすると青ゾロの置き場に困るので、43にちぎります(図13b)。この時点でなめくじ折り返しに行く事が決まります。この置き方はなめくじ折り返しを選択肢として持っているからこそできる置き方です。
 ・図13c青青2縦して、図13dを1縦する事での雪崩を狙って行きます。
 ・図13eでなめくじの上を伸ばしに行きます。なめくじは6列目を優先して置いていくのがコツです。
 ・図13fでなめくじ折り返しの中のを組み進めます。
 ・図13gでなめくじ折り返しの上を進めます。
 →  → →  →  → 
図13a          図13b        図13c         図13d         図13e    
  → 
   図13f          図13g



2-2. なめくじ折り返しの組み方のコツ

【実は受けが悪い置き方】

 下の図14aのツモの時、図14b→図14cとなめくじ折り返しに行きたくなりますが、実はこの置き方は受けがやや狭いです。図14cで5・6列目に置けるツモは、緑ゾロ黄ゾロの4種、計3/8=37.5%しかありません。
 なので、このツモの場合は6列目を赤縦3にし、後述するDT土台系列(下の方の図21a→図21cのように)を狙って組むのが受けが広く、隙も少ないです。6列目を赤縦3にすると、上の受けの他に紫ゾロの受けも増え、多くのツモで組み進められます。

 →  → 
図14a          図14b         図14c


【裏ハチイチ理論】
 
 また、もし図14cのような形になってしまった時、が来たらハチイチだと思って図15aのように置いてしまいたくなりますが、これは間違いです(ネクストが緑ゾロの場合のみあり)。正解は図15bのように56に置いてなめくじ折り返しのの上の色のハチイチ(Xのハチイチ)を受けられるようにします(Xのハチイチで上に伸ばせる形)。これは「裏ハチイチ理論」と呼ば(kuroroさんが発案)ハチイチに捉われて端を凹ませるのは悪手である例の一つなので、覚えておくとお得です。
  
図15a(悪手)    図15b(裏ハチイチ理論)   


2-3. なめくじ折り返しの上部

 なめくじの上は逆さL字図16a)と縦3(図16b)と選べますが、どちらが良型かは僕にはまだ判断できないです。多分ツモに合わせて両方を組み分けるのが良いのだと思います。(直観だと逆さL字が良さそうだけど、縦3は耐久力がありそう?)

         
図16a         図16b           図17 (ショートカット)

 なめくじ折り返しは、いざとなったら5列目のへショートカットして本線を繋げる事も出来るので、比較的隙を作ってもなんとかなる形です。上の図17の場合、5列目にを置いて、なめくじ部分を黄色と、本来の前にを経由するのをショートカットします。なので、多少隙を経由してでも積極的に多重を組みに行ってもいいかもしれません。

 逆に本線を組む時はこの5列目のショートカットの暴発ケアが必要になってきます。致命的な暴発ではないですが、1連鎖減るのはやや痛いです。



2-4. なめくじ折り返しのキーぷよ

 なめくじおり返しでのキーぷよ外しですが、図18aのようにをキーぷよ外ししは入れて対応してしまうと、なめくじの上のまで消えて6列目が凹んでかなり伸ばしにくく、大分苦しい残しです(図18b)。なので、キーぷよ外しはもう1個手前で止めておいて対応に使うのが良いと思われます(図19a→図19b、のキーぷよを外す)。のL字が残って、かなり残しの良い形の対応になります(図19b)。
       → 
図18a         図18b          図19a         図19b 


3. DT土台とその類似形

3-1. DT土台とその類似系
  
 図20aの形はDT土台(liveさんが命名)と呼ばれており、図20bはその部分形で、4・5列目のL字がゴミで底上げされて上を向く場合(図20c)、6列目が縦2の場合(図20d)などいくつか類似系があります。ここではそれらをDT土台とその類似系として紹介します。
 これらの土台は、GTRに出来ないツモで(ゾロを含む場合が多い)、6列目に同じ色を縦2や縦3する事で隙の少ない折り返しを組みに行く、そんな手順から発生する折り返しの良型の類です。
   
図20a        図20b        図20c       図20d 



3-2. DT土台系の組み方

 ・図21aの時、この赤ゾロはGTRに出来ないので、6列目に赤の縦3を作りに行きます(図21b→図21c)。この時、なめくじ折り返しに行くと上図14cで紹介したように受けが悪いので、図21cのように6列目を縦3にしてDT土台系の折り返しに行った方が受けがよいです。

 ・その上はDT土台のように逆さL字を作ったりしながら(図21d)、4列目も有効に使いつつ上へと多重を伸ばしていくと良いと思います。​​​​​​(例、図21e)。​
 
 →  →   → 
 → 
図21a          図21b          図21c         図21d      【図21e】←クリックでシミュ



3-3. DT土台系のキーぷよ

 ・図22aのように紫のL字が下向きの場合、6列目の紫のキーぷよの上に1個ごみを挟んで1段上に置いても繋がります(もちろん1段上にしなくても繋がります)(図22a→図22b)。これは5列目のが2段あるためです。
 → 
図22a          図22b 

 ・図23aのようにL字が上向きの場合、6列目のキーぷよは1個ごみを挟んで1段上に置かないと繋がらないので注意です図23bのようにのキーぷよを1個上にしない場合、がすかってしまいます。)。図23cのようにのキーぷよを1個ごみぷよを挟んで上に置けば繋がります(図24d)。また、2段上に置いても繋がります。


 →      → 
図23a          図23b           図23c         図23d

 

 ・また、5列目からも接続できますがショートカットになり1連鎖減ってしまうので、あくまで緊急ルートです。



4. ごみぷよで底上げしたフキゲン風折り返し ~GTR狙いからの移行形~

 ・図24aの場面で、Xのツモの場合、4縦青上→6縦青下と組むのが受けが良いので、後折りGTRで頻出する手順です(図24b)。(これに関しては次回詳細に記事にまとめる予定です。)

 ・この時、5列目にはのハチイチでGTRを完成させるほかに、のツモを上で差し込むことができ(図24c)、ごみぷよで底上げしたフキゲンGTRみたいな折り返しとして組めます(図24d)。この置き方は、ネクストに赤ゾロなどが見えてる時が隙無く組めるので進めやすいです(図24e)。

 ・この置き方を覚えると、後折りが格段に組みやすくなると思います。


 →  →  →  → 
図24a          図24b        図24c         図24d         図24e



5. その他不定形気味の折り返し一覧

最後に、上以外の不定形気味の折り返し3種を、形だけ一覧にして紹介します。

図25aは、底上げの挟み込み折り返しで、のキーぷよの他にを5列目か6列目に降らしてきて繋げる形です。配色次第では座布団を敷けます。
図25bは、6列目を底上げして逆さL字が2つ重なった形で、座布団を敷きやすい良型です。
図25cは、ツモ次第でGTRを変形させて組む形です。

    
図25a        図25b        図25c 


6. おわりに

 本記事では後折り折り返しの妥協形として、中2連結GTRなめくじ折り返しDT土台とその類似系ゴミぷよで底上げのフキゲン風折り返し5章で紹介した3つの折り返し、をそれぞれ紹介しました。どれも後折り土台を組む場合には是非覚えておきたいです。
 今回の記事は、あかじこう積みの折り返しの妥協形の紹介を主目的とした記事ですがが、後折り使い全般に当てはまる記事でもあります。後折りを始めたけど上手く組めないという人も是非参考にして頂けると嬉しいです。
 特に先折りGTR一本で来た人は、最初は後折りが中々組み辛いと思いますが、GTR以外にこれだけ折り返しのバリエーションを身に付けると、苦しいツモも捌けるようになり、後折りも安定して組めるようになると思います。次回、後折りの折り返しの組み方のコツの記事を書く予定なので、そちらと合わせて読んで頂くとより後折りが組めるようになると思います。
 
 初回の記事であかじこう積みの基本形と序盤のツモの置き方を紹介し、前回の記事であかじこう積みの連鎖尾側の妥協形を紹介し、今回の記事であかじこう積みの折り返し側の妥協形を紹介しました。これだけ妥協形を知っていれば、苦しいツモはかなり減り、より安定してあかじこう積みを組むことが出来るようになると思います。

 次回(投稿済み)←クリックで記事へ、あかじこう積みの雪崩の上部を組むコツ、真ん中のL字の妥協形、左折りへの移行形(リバシ)を紹介し、このシリーズの完結となります。

 また、次々回で後折りGTRの組み方のワンポイントコツを、全ツモ検証した結果と共に紹介したいと思いますので、そちらも参考になれば幸いです。
 (少しずつ書き進めると思うので、しばしお待ちくださいm(_ _)m )

 最後まで読んで下さり誠にありがとうございますm(_ _)m 
 コメントでご指摘・ご質問・アドバイスなど歓迎します!



謝辞
・「石川をぷよぷよで染める会」によるぷよシミュレーター-エディターを使用させて頂きました。
ここにて感謝を記したいと思います。

 

 
更新日時:2023/08/12 18:32
(作成日時:2023/08/04 18:31)
カテゴリ
連鎖
コメント( 0 )
コメントするにはログインが必要です
シェア