よく「完成形を意識しよう」と連鎖構築の際に言われますが、この考え方は知っている形には有効です。しかし、新しい形を学ぶときに完成形を意識する方法では無限に形を仕入れていく(形の場合分けが発生する)ことになりますし、セカンドのようなアドリブ連鎖が求められる際は完成形をそもそも意識しづらいですし、都合の良いツモが来るとも限りません。
●基本編
一つの考え方として、
「もし発火したら何が残っているか」を意識する方法があります。
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図1
よくある形。ここではまず次の図2のように置くことになると思いますが、
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図2
なぜこのような置き方をするのでしょうか。
「形を知っているから」このような置き方をする、というのは、定型化してしまう置き方で、連鎖構築における思考を省き別のことを考える余裕を作るための考え方です。
しかしながらこの考え方では定型化した置き方以外には対応しにくくなってしまいます。
そこで、「もし発火したら何が残っているか」を意識してみましょう。次の図3-1は仮に発火した場合です。
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図3-1、
シミュ、図3-2
すると図3-2のように残ります。これがイメージできているかどうか、が今回の肝になります。
「図3-1のように発火すれば黄色が2つ残るな」→「ということは、図1の時点で、黄色が2つのっていれば、発火すると連鎖になってくれるな」という思考をしたい。このように思考すると、次の図4-1のような置き方になるのです。
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図4-1、図4-2
これは、完成形を知っているからおいたのではありません。
図3-1のように発火すると図3-2のように残るイメージができているから、それに合わせて黄色2つをおいた、ということです(図4-2)。
このように、普段から「発火したら何が残るか」を意識するようにしてみてください。この考え方ができた時、あなたは、デアリスを組むために必要な考え方を習得したことになります。それでは次節でデアリスの説明に入ります。
●デアリス編
デアリスは次の図5のような連鎖をいいます。
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図5、
シミュ
組めたらかっこいい連鎖の一つ。上級者の仲間入り?それではどのように考えるとこのような形になるでしょうか?
前節で、図3-2のように残ることを意識し、それに合わせてぷよを置く、という話をしました。
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再掲図3-1、
シミュ、図3-2
図3-2から、次のツモで1連鎖を作ってみましょう。
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図3-2A
色んなパターンがありますよね。
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図3-2B,C,D
このうち
デアリスになるのは3-2Dの置き方なのですが、この置き方、次の図3-1Aから組もうとすると、3-2Bや3-2Cにしていませんか?
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図3-1A
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図3-1B,C
3-1B,Cでも連鎖を組めないわけではありませんが、6列目より5列目が高くなっているのがちょっと気持ち悪いです。早めに6列目に埋めたくなります。
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図3-1D
3-1Dであれば連鎖尾は平らで扱いやすいですね。そして
3-1Dから発火すると何が残るか想像してください(図6-1,6-2)。
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図6-1
シミュ,6-2
図6-2のように残ります。
この残りに合わせて、伸ばしていきましょう(図7)。
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図7
図7のように置くと、1連鎖プラスできるので、図6-1に足していきましょう(図8)。
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図8
このようになりました。更に伸ばしたければ、同じように
「何が残るかを想像し、それに合わせてツモをおいていく」のです。
図8で発火すると、赤が2つ、4~5列目に残るので、それを消すように赤をおいていくのですが、デアリスの場合、図3-1Dのような形で赤が消えるように置きます。その次は、図7のような消え方を目指しましょう。図8から5手進め、6手目に発火すると、次のようになり、デアリスの連鎖尾になります(図9)!
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図9、
シミュ
構造が気になるならば、1手1手止めながら、
「もし現時点で発火したら何が残っているだろうか」と考えてみてくださいね!
【追記】更に上級を目指す方へ
このデアリスを更に抽象化した考え方が「潜り込み」と言われるやつです。図3-2Dの緑や、図7の赤がそれです。
潜り込みを使いこなせているかどうかは、上級者の中でも腕の見せ所と言えるでしょう。
この概念は20年以上前にミスケンという当時のレジェンドプレイヤーが確立したもので、彼が書いたサイトのアーカイブが残っていますので紹介します。ぷよぷよ研究ブログさんありがとう。
参考URL:
https://puyopuyo.hatenablog.jp/entry/2ha3_puyostation
ミスケンの理論のアーカイブは他にもあるので、さらなる高みを目指す方にはぜひおすすめしておきます。
参考URL:
https://puyo-camp.jp/posts/182238