00.はじめに
お久しぶりです、秋雨です。気づいたら
前回の記事から2か月近く経ってました。前の投稿から1か月くらい経った時点で「そろそろ新しい記事書きたいなー」とか思い、それからしばらくして今回の記事のデータ集めに取り掛かったのですが、それに2週間もかかるとは思ってませんでした。「素材集めに2週間も掛けた記事ならさぞ有益なもんだろう」と思ったそこのアナタ、残念でした。僕ですらよくわからんものが完成しそうです。でも普段は感覚でしかわからないデータが数字となって出てくるのを見るのが好きな人はそれなりに楽しめると思います。「この記事から何かを学びとるぞ!」みたいに力まず、酒の肴みたいにつついていただければ本望です。例のごとく読みづらいのは許してください。
01.もくじ
00.はじめに
01.もくじ
02.測定ルール
03.土台データ~SAKI~
04.土台データ~fron~
05.土台データ~くまちょむ~
06.土台データ~しょたぺろ~
07.土台データ~あいり~
08.土台データ~citrus~
09.土台データ~A1級Aグループ~
10.おわりに
02.測定ルール
というわけで今回はタイトル通り、おいうリーグA1級Aグループの各プレイヤーが、どの土台をどんな割合で組んでいるのかを調査してみました。ルールは以下の通りです(読み飛ばしていただいても多分大丈夫です)。
~ルール~
・プレイヤーが組んだ
折り返しについて、どれを何回使っているかカウントする(左右別)。
例.GTR、サブマリン
・例外① 土台全体に名前がついているときは、その
土台の名前でカウントする。
例.だぁ積み、弥生時代
・例外② 折り返し部分が階段積み・挟み込み(鍵)の形であっても、土台全体あるいは殆どが純正の階段積み・挟み込みの形でなければ階段積み・挟み込みとしてカウントしない
・↑の条件にすべて漏れた土台は「名無し右」「名無し左」という枠でカウントする。
・初手まわりに
両者が全消しを取った場合は、カウントしない
・初手まわりに
片方だけが全消しを取った場合は、
全消しした側→「速攻」でカウント
全消しされた側→カウントしない
・
速攻が発生した場合は、
速攻した側→「速攻」でカウント
速攻された側→受けた・対応した・刺さった等に関わらずカウントしない
その他細かいルール(土台の定義など)に関してはまた今度別記事に纏めて書きます(予定)。
それでは早速本題に入りましょう。
03.土台データ~SAKI~
〇選手紹介
【S級進出者】2013年AC版ぷよぷよ通のS級にも進出した経験のある「新世代の狩猟者」(2013年当時)。迅速かつ的確な追い打ちを筆頭とした攻撃的なスタイルで、特に「催促がそのまま連鎖尾とか第二折になってる」みたいな合体チックな戦術を得意とする印象。その積みはイロモノ揃いのA1級の中ではトップクラスにシンプルですが、それがそのまま安定感となり強さにつながっているように思います。ちなみに筆者は彼がAC通やってるときに指差し確認する仕草が結構すきでした(第5回A級のアレ)。
右折主体だが左で折り返すことも珍しくない。後述のようにfron積みを狙った手順の時以外=いつもの後折手順のときに
左折を組んだ場合は殆どが新GTRやサブマリン、すなわち1段目の左側に横3を作る形になる。
詳しく見ていきましょう。
GTRと新GTRを軸にした、非常に最近のプレイヤーらしい土台選択(筆者の感覚は2012~14年頃で止まっています)…と思いきや、なぜか対戦の序盤でfron積みを多用してました。詳しい理由はわかりませんが、「速攻をチラつかせ」「打たないとしても、速攻のみを狙った形よりも良型に持っていきやすい」ってことなのかなーと勝手に思ってます。攻めっ気の強い相手をメタったものかとも思ったんですが防御重視なぷよを打つcitrusさんに対しても使ってたのでもうよくわからんです。
04.土台データ~fron~
〇選手紹介
「’97世代の核弾頭」の名前を欲しいままにする異土台伝道師。自らの名を冠する「fron積み」というかまいたちの変形土台から放たれる高火力、安定したセカンドが特徴。その個性的な積みからだけでなくぷよ配信者としての面白さからも人気を博しており、ファンの期待に応えて遂に先日プロ入りを果たした「悲願の主人公」。彼の名言「イヴァルルルァが強い!!(表記揺れあり)」は汎用性が高く、ぷよ実況言いたくなるフレーズランキング1位(筆者調べ)。プロライセンス獲得本当におめでとうございます。
左折に固定しているプレイヤー。彼の代名詞、fron積みは速攻としても使えることがよく特長として挙げられるが、
実は余程ツモがかみ合ったときや全消しを取れるとき以外は速攻を打たないようだ。
詳しく見ていきましょう。
やはり特徴的なのはfron積み。初手BCAA以外は大抵fron積みにまとめあげ、そうでなくてもGTRに土台を収束させる安定感が売り。底上げ男色と右折の鍵積みは操作ミスでそうなったっぽいので、基本的にはfron積みとGTR以外は組まないと考えてよいでしょう。fron積みを練習したい方は「fron積みの組み方」を見るだけでなく「どんな時にGTRに移行するか」をよく観察するのもいいかもしれません。
05.土台データ~くまちょむ~
〇選手紹介
【S級進出者】「ぷよ界のバイブル」と呼ばれたのも今は昔、誰にも真似できない戦術を高い完成度で投げつけてくる四強の一角(とは言え昔から攻撃的なのは相変わらず)。20年以上前から前線を走り続け、今もなお進化をやめない生ける伝説。多くのプレイヤーにとって彼の積みは参考にならないかもしれないが、すべてのプレイヤーにとって、彼の「ぷよぷよへの姿勢」はこれからも見習うべきものとなるのかもしれない。でも配信とかで予想外のミスとかしたときに「はぁ!?」って言ったりと割と口悪いの、ゲーマーの”こちら側”を感じられて好きです。くまちょむさんとレートで当たった時の緊張感は異常。
目につくのは異常なまでの速攻の多さ。ほぼ全試合で速攻を構えていることは対戦相手も重々承知のうえ、
警戒しているはずなのにそれでも4回に1回くらいは速攻が飛んでくる。おそろしや。
詳しく見ていきましょう。
基本的に構えた速攻は使わなかったときに連鎖尾となるので、右折がメインです。また土台作成の際、右上画像のようなL字を私的定形としているらしく、GTRだろうがサブマリンだろうが挟み込みだろうがこういう形を仕込んでることが非常に多いです。余談ですが彼の超速攻戦術は対戦相手の土台の形にもれなく影響を与え、ついでにそれを測定している僕の頭を抱えさせました。SAKI-くまちょむ が判りやすいソレで、中盤以降SAKIさんはちぎり=時間のロスを強く意識した形に変えざるを得なくなっています。
06.土台データ~しょたぺろ~
〇選手紹介
【S級進出者】おいうリーグS級皆勤。悪鬼羅刹蔓延るA級S級の試合をざっと通して見ればそれがどれほどの偉業かはすぐにわかるかと思います。0連鎖催促すら可能にしてしまうトチ狂った連鎖技術を有しており、特に回収率と美しさが高次元で両立しているセカンドは必見。対応時の判断(どこまで崩すか/どの部分を付け足すか)も非常に精度が高く、生半可な仕掛けをすると抜け目なく咎めてくる印象。あとぴぽにあさんへのDMが面白い。
左右どちらかに偏らない土台の選択。必然的に戦術のバリエーションは豊かになるので、
対戦相手は翻弄されてしまわないように注意が必要。
詳しく見ていきましょう。
左折はGTRがメイン。GTR使いがこぞって困るABACBCツモは最近流行りののfron積みではなくLLRを選択。そして一番の特徴は右折だぁ積みの多さ。あとこれは筆者の感覚なのですが、だぁ積みを組んだ際、画像のようにキーぷよの赤を2列目ではなく3列目に置くことがなんとなく他のプレイヤーより多い気がするんですよね。凝り固まった理想形に縛られない発想の柔軟さが垣間見えるシーンの一つだと思ってます。
07.土台データ~あいり~
〇選手紹介
颯爽とぷよクロ界に現れた天才JKにして初代おいうリーグの覇者。
対戦相手の盤面を的確に把握しており、瞬間的な形の弱さを突く強気なスタイルが特徴。
勝ち試合を落とさない、ミスの少ない中盤戦をこなすかと思えば、本線火力も安定してデカい、と
目白押しの強みが持ち味。謎に包まれた天才JK、果たしてその正体は…!?
折り返しの方向はあまり定めていない…というかパターン化された土台手順ではないようだ。
あるいはとてつもなく細分化されて固定化されているのかもしれない。少なくとも初手2~3手程度では何を組むか全然決めていないように見える。
詳しく見ていきましょう。
折り返しの左右に関わらずGTRをよく組むようで、本線の安定感は高め。あと結構新GTRも好んで組んでいるように思います。「先折の右折」みたいな手順で組み進めることもあり、ツモの流れに逆らわないような自然な手を臨機応変に打っていると言えるのかもしれません。土台手順の全てをそのまま参考にするのは難しい気がするので、例えば後折を組もうとしてるときの手順だけを参考にする、みたいな感じに部分的に吸収するのがいいかも。
08.土台データ~citrus~
〇選手紹介
GTRとサブマリンを軸とした左折土台や催促への高い対応力、マルチにしても丁寧に回収する連鎖尾が印象的な強豪。基本的には対応重視の慎重なスタイルだが、それ一辺倒にならない、時折見せる鋭い攻めからもプレイの丁寧さが窺える。ちなみに筆者は鶴亀サブマリン連鎖尾マルチ土台に一時期ハマっていて、その頃はcitrusさんの土台をかなり参考にしてました。今でも好きな土台の一つです。あとなんかかわいそうらしい。
左折完全固定。「速攻」の枠も、全消しを一方的に取った時の1回だけなので、
かなり落ち着いたぷよを打つようだ。でも土台がものすごく安定してるかと思いきやそうでもなかったりする(後述)。
閑話休題、詳しく見ていきましょう。
左折完全固定のプレイヤーとしては少し珍しく、サブマリンの比率がかなり高め。特に画像のような鶴亀サブマリン(と筆者は呼んでいる)を組む頻度が非常に高く、コレ組みたいプレイヤーは彼を最も参考にしたい…と言いたいところなんですが、土台の時点で縦3とか使って無理矢理回収したりと技術力でゴリ押す場合も割と多いのでそう簡単には参考にできなさそうです。
09.土台データ~A1級Aグループ~
オマケです。
速攻の約2/3はくまちょむ産です。
fron積み、占めすぎて笑いました。「A1級Aグループで2番目に多く使われている左折はfron積み」というトリビアの種にしましょう。
GTRがトップなのは予想通りですが2~4位がかなり僅差ですね。ここまで差がつかないとは思いませんでした。
10.おわりに
ここまで読んでくださった皆さん、大変お疲れさまでした&本当にありがとうございました。
A1級Bグループについては、やりたいんですがやるかどうか分からないです。理由としては2つあって、ひとつはこの企画は本当はおいうS級でやるつもりで、これはテスト記事にしようと思っていたから。もうひとつは思ったより作業量がヤバくて時間が確保できねぇから。もしかしたらいつかふらっと復活して記事を書くかもしれませんが、少なくともこの記事上げて即座に次に取り掛かるみたいなことはなさそうです。S級も50先なので相当時間が掛かるでしょうからやらないかもしれません。もし楽しみにしてくださった方がいたら申し訳なさそうな顔します。
選手紹介に関しては、各時代のS級PVやliveさんの「
覇王の慧眼」等をそれはそれは大いに参考にしました。いい文章が思いつかなかったときはガッツリ拝借してるので「この文、覇王の慧眼で見たやつだ!」となる可能性があります。ごめんなさい。そしてありがとう。
この土台調べプロジェクトを通して、僕自身のぷよに関する成長があったかどうかは甚だ疑問ですが、ただ一つ得たものがあるとすれば、それは「配信のアスペクト比だけで誰の配信か判るようになった」です。どう見てもムダです。本当にありがとうございました。
次回の記事に何を書くかも未定ですが、僕自身の土台手順をまとめたメモを投下しようかなとうっすら思っています。記事を書くたびに、より他の人の役に立たなくなっていくのは気のせいです。ええ気のせいですとも。
※データについて。YouTubeに上がってる誰でもアクセスできる動画から取ってきたので大丈夫かと思われますが、もし「
自分のデータが数字として出るのが嫌だ」「
俺はそんなにかわいそうじゃねえ」等の問題がありましたら、お手数ですがこの記事のコメント欄か、僕のTwitter(@Akisame_16)にご連絡ください。修正するなりデータ消すなりします。(当事者からの申告に限ります)
2018/11/15 Akisame16
とても良記事でした。
S級期待しています。
素晴らしい記事
>きゃらめる さん
コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き本当に嬉しいです。S級もぜひやりたいのですがいつになるかはわからないので「上がってたら見るか」程度に気長に待っていただけると幸いです。
>コインさん さん
コメントありがとうございます。データ採って纏めてるうちに自分が何やってるのかワケ分かんなくなってきて「本当に面白いのかコレ…?」という気持ちで投稿したので、そう言っていただけると感無量でございます。ありがとうございます。
2018/11/16 Akisame16