「理不尽過ぎる」「こんな戦い方ありえない」「ただの確率攻めだろ」「強いのか弱いのかハッキリして」「私達はこの新時代のぷよを刮目しなければならなぁいッ↑」
…ぷよぷよ界のレジェンドくまちょむ氏が用いる序盤での超速攻戦術、通称くまちょむ戦法を初めて目の当たりにした人達は口々にこう喚いてきました。しかし、何故か勝ってしまう。なぜだ?なぜこの戦い方は強いのか?なぜ相手はハマってしまうのか?それについては、「くまちょむだから」という何だかフワッとしたよくわからない概念で今までなんとなく片付けられてきたような気もチョットします。そこで今回、その中身について改めて考察してみようと思い筆を取った次第です。
申し遅れました、私シラタマと申します。ぷよクロとぷよ動画を日々楽しんでいる中級ぷよらーです。というわけで、先に本考察の構成を記しておきます。読みたい所からどうぞ。
※以下プレイヤー敬称略です
■一部 対citrus戦以降の対戦データ分析
・何のデータ?
・速攻の種類
・速攻時の総ツモ数
・対土台別勝率
・「刺さる」と「勝てる」の関係
・対戦相手別勝率
■二部 なぜくまちょむ戦法は強いのか
・とにかく速い
・乱戦力が高い
・速攻と威圧のメリット
・くまちょむ戦法の本質
・くまちょむ戦法に弱点はあるのか
■一部 対citrus戦以降の対戦データ
今回考察するに当たってデータを取ったものは、ぷよぷよクロニクル第3回おいうリーグA1グループの、citrus戦、あいり戦、SAKI戦、加えてS級選抜飛車ちゅう戦の4戦になります。本人から、citrus戦からこの戦法を実践投入されたとのことなので、この4戦を選びました。ぷよぷよチャンピオンシップについては、機種が異なるのと充分なサンプル数が取れなかった為今回は除外しました。
・で、何のデータ取ったの?
速攻の種類、打った時のツモ総数、速攻が刺さったか、打った試合は勝ったか、打った時の相手の土台は何だったか、について主に計測しました。ちなみに、本考察での速攻の定義としては、土台部分を完成前にほぼ使い切った連鎖として捉えており、両者が取れた全消し戦はカウントしていません。
では早速見ていきましょう。
・速攻の種類
数としては2連鎖に大体集約されていますね。数として2番目に多い
2連鎖シングルはほぼ全て2連鎖目が連結なのですが、
そこまで勝率は高くありません。打った後の展開によって勝敗は左右されやすいと言えるでしょう。そして、やっぱり2トリは強い。数こそ少ないですが、3連鎖も以外と刺さりますね。連携は主に単発からの2ダブや2連鎖×2全消しなどですが、相手の引きに左右されそう?(注)4連鎖は、全消しが取れた時のみ試合に勝利だった為、純粋な4連鎖の勝率は0%になります。
興味本位での4連鎖、ダメ、ゼッタイ。
・速攻を打った時の総ツモ数
打ちやすさで見ると、当然総ツモ数が増えるほど打ちやすいということになり回数は多くなっていますが、他には6個の勝率が低いこと、14個で一度勝率の谷が生まれること、18個の勝率が高いこと、20個以上は勝率が落ちていくこと等が見えてきます。
特にわかりやすいのは20個以上でしょうか。20個以上ぷよを引くということは、20÷4=5、つまり理論上相手が5連鎖を完成できるので、ここで速攻を打つ側が打てなくなるいわゆる
「5連鎖の壁」が発生します。5連鎖は連鎖ボーナスが16から32に跳ね上がるのでめちゃくちゃ強いです。連結増やしても歯が立ちません。皆さんも、5連鎖に4ダブで対応しようとして、え?全然足りねーじゃん!って思ったこと一度はあるでしょう?笑
18個時が強いのはこれの裏返しで、ギリギリ相手が5連鎖を打てない或いは4連鎖から伸ばそうとしてしまったケースにそのまま刺さるパターンだと思われます。
6個時は当然単発オンリーですが、単発として使わず温存した方が良さ気です。
14個時の谷(7手の谷)については正直まだ考察中です。こちらが送るおじゃま量が充分でなくかつ相手の受けが成立してしまう、とかでしょうか?詳しい人カモン!
ちなみに20個より後は折り返しや多重折の隙を狙う速攻の潰しのタイミングがあるのですが、そこでは今回くまちょむ氏は速攻を一度も打っていません。
くまちょむ戦法をインストールしたい人は、
ツモ数あるいは手数(何手)を意識してみるといいかもしれません、というお話でした。特に、
終わりの20個(10手)は生死に関わるので意識すべきと言えるでしょう。
・速攻使用時の対土台別勝率
はい、みんながいちばん気になるところですね。ちなみに自分もデータを取る前にこんな感じで予想していました。(くまちょむサイド視点になります)
先折GTR:カウンター組まれるから不利
横3系:平らになりがちなのでやや有利
定形:土台部分を荒らせるので有利
後折:構築に時間がかかるので有利
結果がこちらになります。一部、少数の土台を省いています。
速攻使用時の対土台別勝率(%)
予想外でした。
実は
先折GTRよりも、
後折に対してくまちょむ戦法は勝てていません。
相手側に立って見て色々と考えてみたのですが、
先折土台の場合、
カウンターで受けることが前提の動きになりやすく、かつ数手では土台の連結部分が少ないことが多いです。その為土台の後ろ部分をほぼ放棄しながら1列目の発掘作業を強いられ、飽和火力を削られた状態で乱戦をしなければならず、その後の展開はプレイヤーの乱戦力次第で有利にも不利にもなる、という考えに至りました。
対照的に、後折は土台の後ろ部分から作っていく為、相手の動きを見ながら形を柔軟に変化させやすく、ぷよを連結させて受けたり発火で迎え撃つこともどちらもでき、また座布団の場合1列目逆発火のルートも備えています。この辺りの
柔軟性が後折の強みと言えるでしょう。とは言え、発火色を引けない理不尽さは間違いなく後折が一番感じますね(^-^)
・「刺さる」と「勝てる」の関係
ここでは速攻が相手に刺さったか、またその時の勝敗についてまとめてみました。刺さったか、の表記の意味は以下の通りです。
◯ 刺さった ✖️発火された △通ったが受けられている
刺さったかどうかの数は割とキレイにばらける結果となりました。刺さると有利になるのは言うまでもないですが、発火されたり受けられたとしてもそこそこ一定の勝ちを拾えるのは相手にとっては厄介この上ありません。
・対戦相手別速攻勝率
最後に対戦相手毎のデータを載せておきましょう。
速攻使用時の対戦相手別勝率(%)
…あ、あれ?土台別勝率とか色々見たりしたけど、結局は対戦相手次第な
これにて一部は強制終了(^_−)−☆
■二部 なぜくまちょむ戦法は強いのか
それでは一部で得られたデータを参考にくまちょむ戦法の強みを見ていきましょう。
くまちょむ戦法=速攻といったイメージは強いですが、実は
使用率で見てみると速攻はおおむね3分の1程度です。残りの3分の2の部分が、安定した勝利に貢献しているとも言えるでしょう。そこで、速攻以外の部分にも着目してみました。
・とにかく速い
基本的に土台部分で
ちぎりません。その分相手より多くのぷよを引くことができ、
ぷよ量で優位に立てます。また左側に高く積んで構えることも序盤のツモ高速化に一役買っています。そして、土台左側が若干歪な形になっても、ハチイチを意識した置き方によって効率よく土台右側を組んでいます。
ここから
こうなる
・乱戦力が高い
逆にこの強みがないと、開幕2連鎖とか普通の人は真似出来ません。
おじゃまぷよが絡んだ試合は、
相手とのアドバンテージ差をいかに速く適切に捉えられるかがカギになってきます。打つのが速すぎてもダメですが、遅すぎるのはもっとダメなケースは多いです。その辺りの
駆け引きと優勢判断が特に優れています。
また、相手の返しに耐える形として、先折GTRをチョイスすることも多いです。
またGTRですかぁあ!??(
日韓戦)
・速攻と威圧のメリット
速攻を見せることや威圧の形を常に構えることによって、相手は非常~にストレスを受けます。序盤から中盤において、相手は
カウンター思考もしくは
効率本線ぶっぱ思考に陥りやすくなり、それ以外のことを考えにくくなってきます。その結果、相手の土台を相手自身で乱しやすく、判断を狂わせ、結果
相手の飽和火力を削ぐことに一役買っているのではないか?というのが僕のひとつの見立てです。実際、上の4戦において
相手が8万点以上の本線を打てたのは221試合中わずか1試合のみでした。(citrus:8万5000点)
そうして相手の火力を削いで先打ちさせた所に
ドヤ顔8トリを飛ばしていくわけです。そりゃ強いや。
また、くまちょむ戦法における後折は折り返しにやや隙が出来やすいのですが、とにかく形で相手をビビらせているので、悠々と自分のペースで中盤に移行できます。まさに
威圧が最大の防御となっています。
・くまちょむ戦法の本質
ここまでをまとめると、くまちょむ戦法の真髄は以下の3つにまとめられます。速さによるアドバンテージを確保し続けること、相手がやりたいことをやらせないことと、自分の得意な土俵に相手を引きずり込むこと。実際にくまちょむ戦法を戦術として取り入れるかどうかは別として、
相手の思考や行動を制限したり狭めるといった意識や戦術はもしかしたら今後より重要になっていくかもしれません。
・くまちょむ戦法に弱点はあるのか
もっと書きたいことあるなぁと思いましたが蛇足が長くなりそうで話が収束しなくなりそうなので一旦切ります。弱点・対策など皆さんも是非一度考えてみてください。ここまでお読みいただきありがとうございました。それではまた!
↓に続きます
https://puyo-camp.jp/posts/70090