TL;DR: 熱意のある海外ぷよらーがとてもすごい。
はじめに
eSports の波に乗って、ぷよぷよコミュニティはかつてない盛り上がりをみせています。
ぷよぷよはすでに国内では歴史的なタイトルですが、これを eSports として世界的なものへと昇華させるためには、国外コミュニティとの交流など国際的な活動がより重要となります。しかし、ぷよぷよの国外コミュニティについてご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。
国外ぷよらーの熱意は凄まじいものがあります。私は国外事情に精通するほど海外コミュニティに深入りしているわけではなく、twitter や discord などで見聞きする程度ですが、国内ぷよらーから見ても先進的な取り組みさえあると感じています。しかしながら、彼らの興味深い活動は国内であまりに注目されていません。
そこで、最近の国外ぷよらーの動向や活躍についていくつかピックアップし、その一端を紹介したいと思います。
アプリ統計からみる国外ユーザ
国外にぷよらーがどの程度いるかはわかりませんが、参考になりそうな値として、
puyosim というスマートフォン用ぷよシミュレータの海外ユーザ統計を紹介します。以下は Google Play ストア(Android のアプリストア) の管理者画面で閲覧できる、国別インストール端末数の統計です。
上図の値は端末数なので、正確にはユーザ数と異なります(1 人が複数端末で puyosim を利用している場合があるので)が、アメリカ、韓国にそれぞれ 1,000 以上のユーザがいるとして問題ないと思います。Android 端末を所持していて、なおかつ弱小シミュレータアプリをインストールして使い、連鎖を練習しようというほど意欲のあるぷよらーが米韓に
少なくとも 1,000 人いるのです。意外と多くないですか?
もちろん Android アプリにシミュレータが存在することを知らないユーザや、Android ではなく iOS を利用しているぷよらーもいるでしょう。正確な国別ぷよらー統計は SEGA のみぞ知る値であり、ここではおおまかな下限を示すことしかできません。
(余談:
puyosim の iOS 版も存在するのですが、あまりにユーザが少ないので各位使ってくれ 初手ツモ設定とか undo/redo は既存のやつより便利だと思う)
発火点の自動検知システム
次に紹介するのは、S2 氏が画像認識 + 発火点検知に取り組んでいるプロジェクトです。国内でも話題になりました。
ぷよ盤面を認識する例は、たとえば
@nojima's blog ぷよぷよのプレイ動画を解析して棋譜を生成する などがありますが、ツールとして(ほぼ)完成させ実用レベルに到達したものは S2 氏のものと puyoai プロジェクトくらいではないでしょうか。
「観戦が楽しめるか」は eSports として重要なファクタです。複雑な戦略と駆け引きが高速で展開されるぷよぷよというゲームで、実況や解説をサポートする意義は大きいでしょう。
PuyoNexus Patreon
https://www.patreon.com/puyonexus
こちらも(たぶん) S2 氏の取り組みで、2016 年ごろから行われているようです。
Patreon というのは日本でいう Pixiv FANBOX のようなサービスです。ユーザはパトロンとしてクリエイターに毎月定額を支援し、逆にクリエイターは支援分のサービスをパトロンに提供します。PuyoNexus の場合は $10 で S2 氏のぷよ指南が受けられたり、もっと高額なコースでは T シャツがもらえたりするようです。最近だと YouTube のスーパーチャットで支援を送ることができますが、Patreon だと支援に対してリターンがあるのが大きな違いですね。Patreon というサービスの雰囲気から察するに、対価を受け取るためというよりは純粋な応援の気持ちで支援する人も多いのではないかなと思います。
プロプレイヤーが作るスロー再生での解説付きの動画や、手順考察をまとめたドキュメントなどはパトロン限定コンテンツとして適切だと思うので、日本のプロプレイヤーもこういう試みをやってみてほしいです。お金が絡むのでいろいろ難しくなるかもしれませんが......
第 3 回おいう S 級 全試合解説
実は、この記事を書くモチベーションはほとんどこれの紹介です。
おいう S 級の全 14 試合を英語で解説したぷよらーがいます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLNY6IisfUYCZo6nyxRUNU8_QRAe2WnF7T
これすごくないですか?英語圏の初心者ぷよらーにとっては大助かりのコンテンツです。日本人ぷよらーが英語を学ぶのもいいんじゃないでしょうか。英語が聞き取れなくても、YouTube の自動字幕をオンにすれば結構優秀な字幕が現れます。
別の試みとして、アイトラッカを用いた解説ポイントの可視化もやっておられて、かなり先進的です。
めちゃくちゃ手間のかかったコンテンツですし、意義も大きいはずなのでもっとバズってほしい。
おわりに
国外ぷよらーの取り組みをいくつか紹介しました。前にも書いた通り、日本からみても先進的な取り組みがあり、彼らから学べることもたくさんあります。
国際交流やっていこうな
#PuyoLiterallyAnythingAtAllForTheWest
Patreonの件はだいぶグレーゾーンな気もしますね…
>YouTube の自動字幕をオンにすれば結構優秀
これ本当に便利なのでオススメです