ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット(
ルネ・マグリット)(1898-1967)はベルギー出身の画家・哲学家・ぷよらーであり、近代美術における超有名人です
。その挑戦的な作品や思想は現在に至るまで多くの芸術家・ぷよらーに影響を与えました。
本記事では
彼の作品のぷよぷよ解説をすべく筆を執りましたが、もし作品当時の時代背景やマグリットのぷよぷよ観への理解不足ゆえの不正確な内容があったらごめんなさい🙇💦
目次
・ゴルコンダ ~ 個と集団のぷよ ~
・人間の証明 ~ 隠されたぷよ ~
・イメージの裏切り ~ 正しい認識歪みぷよ ~
・リスニング・ルーム ~ デペイズマンぷよ ~
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◆ゴルコンダ(1953)

「ゴルコンダ」は大昔に繁栄した幻の都の名前だそうです。
無個性の塊みたいな、同じような背広と山高帽の男たちが無数に宙に浮いています。
浮遊と落下、個人と集団、空を飛ぶ奇跡と目立たない平均的な存在、そんな矛盾がテーマです。
さて無個性とは言いつつも、よくよく見ると
男たちは全員顔の描き分けがされています。
無個性というのはその人に備わる特性ではなく、見る側の勝手なイメージなのかもしれません。
もしこの中に知り合いがいれば、あるいは描かれているのがたった1人であれば、きっと全く違った印象になるんでしょうね。
 
 ゴルコンダ1
ゴルコンダ1
 ゴルコンダ2
ゴルコンダ2
 ゴルコンダ3
ゴルコンダ3
上図では赤と緑のL字が並んでいます。
図1は
「<赤→緑>の順に消える」というイメージが得られると思います。そのイメージの中で「赤は1連鎖目、緑は2連鎖目」「3列目3段目に乗っているのはキーぷよ」という
ぷよ達それぞれの個性が見えるはずです。
では図2ではどうでしょうか。線対称の盤面になったことで緑と赤はどちらから消しても2連鎖となるため、
順番という個性が失われ(たように見え)ます。
それぞれの性質は図1の時から増えただけで減っていないにも拘わらず、個性は消え失せて集団に埋没してしまいました。
図3までくると何連鎖あるのかもよく分かりませんが、危機的なのは「連鎖数が分からない」ではなく、
「発火点が分からない」ことです。
2色なのでろくな消え方はしないでしょうけど、それでも最大火力を出す消し方は存在しているはずなのに、どこにキーぷよを足してどこから発火したらいいのか認識できません。
ちょっと上図適当に作っちゃったんで適切な例が出せないんですけど、
下図みたいに異質な部分があれば見えやすくなりますね。
(3色になったおかげで明らかに飽和火力が上がってるんですけど、そこはご愛嬌)
 
 ゴルコンダ4
ゴルコンダ4
もし3列目の黄のブロックと4列目の黄のブロックを繋げよう!と意識が向いた途端、1列目の発火が見えると思います。(図5)
 
 ゴルコンダ5
ゴルコンダ5
ぷよの個性の埋没は2色のくりかえしやL字のくりかえしだけでなく、「発火点が分からない」ときに生じます。
個性が埋没したから発火点が分からないのか、発火点が分からないから個性が埋没するのか、始まりがどっちであっても結果や対策は同じですね。
発火点を見つけるためには個性というイメージの杭を打ち込む必要があります。
「このぷよとこのぷよは絶対にこの順で/この場所で/この組み合わせで消えるはずだ」という個性を見いだせれば、芋づる式に発火点が見えてきます。
◆人間の証明(1933)

部屋の中から窓辺を描いた絵ですが、
風景と重なるようにさらに風景画のキャンバスが描かれています。
風景と風景画の端は完全に一致しており、溶け込むように合わさっています。
「何かが見えるとき、別の何かを見えない状態に隠している」という重ね合わせはマグリットがよく用いるテーマです。
今回は「風景画」が「風景」を隠してしまっているわけですが、「隠されてもなお、「風景」は存在する」という事実だけは、鑑賞者も認識することが出来ます。
ここで気になるのは
「風景画」に描かれている1本の木(あるいは道、あるいは林)は「風景」にも同じようにあるのか、という点ですね。
多くの人は「この風景画はこの風景を描いたものなのだから、当然同じ状態だろう」とまず考えると思います。
いま見えているものが「風景」ではなく「風景画」という別の存在にもかかわらず、見えているものだけで
見えない「風景」を想像するんですね。
「風景」にも「1本の木」があると考えるのはごく当然な発想ですが、しかし完全に自然な(自明な)考えとは言えません。
「1本の木」を
信じる事、疑う事、矛盾する2つの風景を両立させる想像力が知性なのだと思います。
 
 人間の証明1
人間の証明1
 人間の証明2
人間の証明2
と、いうことで図1に
GTR土台を用意しました。(色制約を緩くするために2色構成にしていますが、普通の左折5連鎖です)
GTRなので、発火点は1列目に限定されるため、
緑のキーぷよが1列目の上の方に必要になります。
図2は例として、キーぷよまでの
道の長さ3マス分の場合の風景です。隠されたぷよが見えますか?
 
 人間の証明3
人間の証明3
 人間の証明4
人間の証明4
 人間の証明5
人間の証明5
 人間の証明6
人間の証明6
図3~6は鉄ぷよ部分に入るパターンの「一例」です。(色制約と無縁の場合)
それぞれの連結をさらに伸ばしてみたい気持ちになりますが、あまりに長くなるので図6だけに少し触れます。
図6から先の、さらに「隠された部分」については、人によって最初に見えるものは違うとおもいます。
 
 人間の証明7
人間の証明7
 人間の証明8
人間の証明8
図7は
「GTR上にあるんだから当然横3座布団があるだろう」
図8は
「挟み込みなんだから当然カギ積み系統の連鎖だろう」
という絵ですね。
実際の風景がこの絵の通りなのかどうか、プレイヤーに出来るのはおそらく
信じる事と疑う事の2つかと思いますが、なんにせよそれより少ないということはないはずです。
多分自分なら、
当然L字を作って発火点を確保してからさらに伸ばせる風景を想像します。
 
 人間の証明9
人間の証明9
 人間の証明10
「当然黄発火だろう」
人間の証明10
「当然黄発火だろう」だなんてところで
思考を止めてはいけませんね。
◆イメージの裏切り(1929)
パイプの絵の下に
「これはパイプではない」と文章が書かれています。
なぜなら、誰もこの「パイプ」にタバコを詰めて咥えることは出来ないからです。
(絵ですからね)
この作品は「パイプのように見えるもの」ですが、「実体としてのパイプ」ではないという、当たり前かつショックな事実を教えてくれます。
ところで下図を見てください。
 
 イメージの裏切り1
「図1は何連鎖ですか?」
イメージの裏切り1
「図1は何連鎖ですか?」の問いに模範的な解答者は「
4連鎖です」と答えます。
しかし図をよく見れば"赤ぷよが4個無い"ので実態は「
0連鎖の図」ですね。
実は似たような話を以前ぷよキャンに投稿しています。
>
連鎖の見え方作り方【初級者向け】(https://puyo-camp.jp/posts/72375)
なので繰り返しになってしまいますが、
我々の認識は現実からそれなりに歪められていることを知るきっかけになると思います。
『人間の証明』で述べた「疑うこと」の一助として心に留めおきたいです。
もちろん、図1を「0連鎖として認知すること」よりも、
「4連鎖として認知できること」の方がはるかに、圧倒的に望ましい状態です。
気付くべきポイントはそれが
プレイヤーの能力であることで、自覚した上でその
素晴らしい力を伸ばし役立てることが大切です。
◆リスニング・ルーム(1952)
 ありえない
ありえない大きさの青りんごが部屋に鎮座しています。
このように
非日常的・反感覚的な組み合わせを用いる手法をフランス語で
「デペイズマン(異なった環境に置く)」と言います。
モチーフがりんごではなく緑ぷよでも同じくらい迫力のある絵になったでしょうね。
デペイズマンは、そのインパクトにより鑑賞者を強く引き込む効果があります。
「当然ここに置く」という固定観念を覆すことで新しい連鎖の可能性が見える場合も多々あります。
「絶対にここに置かないといけない」と言い切れる場面以外は、結構アリな連鎖に発展することが多いので、とこぷよやシミュレータで積極的に探してみると面白いと思います。
(主な用途は
リカバリーやセカンドになるんでしょうけど。。。)
「座布団多重折り返し」もその簡単な例です。
 
 リスニングルーム1
リスニングルーム1
 リスニングルーム2
リスニングルーム2
まず、上図1,2はごく単純なGTR土台です。
黄色の座布団の上に緑のキーぷよを置いていますね。
なので「必要」と思われる
そのキーぷよを別の物に置き換えてしまいましょう。
 
 リスニングルーム3
リスニングルーム3
 リスニングルーム4
リスニングルーム4
図3で緑ぷよが全く関係の無い青ぷよになってしまいました。
これでは連鎖になりません!
・・・と思ってくれる人が1人でも居ればこのトピックは報われますね。
これはとてもよく使われる座布団多重形なので、図4にその続きをサラッと示しています。
図3だけだと違和感を覚える人もいるかと思いますが、
従来的な感覚のさらに向こう側には新しい世界が開けています。そんな例でした。
ではさらに別のキーぷよ・・・例えば
赤ぷよの場所はどうでしょうか。
 
 リスニングルーム5
リスニングルーム5
上図5で
土台の赤の場所に黄がいますね。
これは流石に置きミスだ!と思ってくれる人が居たなら、このトピックにも意味があります。
 
 リスニングルーム6
リスニングルーム6
黄色が少し連結するだけで大分見た目が変わります。
「赤のキーぷよは2列目に必要」という最初の条件は変わらないまま、「
緑のキーぷよは1列目or2列目」「黄の発火点は1列目or2列目or3列目」という具合に、他の色のキーぷよ列制約は緩くなりましたね。
一応、このまま伸ばすと下図のようになります。
 
 リスニングルーム7
リスニングルーム7
 リスニングルーム8
リスニングルーム8
デペイズマンはキーぷよが離れたり、連結を分断したり、連結が大きすぎたりなど、単純構造の連鎖に慣れていると
強い違和感を覚えます。
違和感がある形だからこそ、
試合中に急に見出すのは難しいとも言えます。やはり日頃からデペイズマンに挑戦するのがいいですね。
分断される
fron積みや、中央が高くなる
メリ土台や、連鎖尾の難しい
弥生時代など、"変わり種"ながらも強いとされる連鎖はたくさんありますので、固定観念を突破して新たなマイナー土台・私的定型を探してみてはどうでしょうか。
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以上、久々にぷよぷよ攻略記事を書きました。(休日潰れますねこれは)
最初に防衛線張っておきましたが、自分は美術や哲学の素人なので本当にマグリットがぷよらーだったかどうかも確かなソースを示せません。
正しい情報を知りたい人はその道の専門家(プロぷよらーなど)に聞いてみましょう!
もっと紹介したい作品もあったんですけど、モチーフが被ってるのが多いのでこのくらいで。