上級者あたりまえシリーズ。
ちぎって入れても段差は減らない。
■ちぎり
溝に欲しい色だけを入れたい場合、組ぷよのうち一つをちぎることで、溝に落とすことができる。
[図1-1]
1列目に青をちぎって落とす
ぷよをちぎる場合、必要な色ではないほうのぷよが、隣の列に積み重なっていく。
[図1-2]
2列目に積み重なってしまったぷよ
図1-1と、2手進めた図1-2を見ると、1列目と2列目の三段差が変わっていないことがわかる。
つまり、土台の完成を急ぐとき、ちぎって入れたとしても
「段差は減らない」のである。
段差を減らすには
「溝に縦置き」するしかない。
[図1-3]
1列目青黄縦置き
1列目に縦置きした場合、1列目と2列目の段差が二段分減る。
----
(余談)
■ちぎりのメリット
ちぎって入れた場合、1列目の発火点を開けておくことができる。
突然の催促に対して、本線発火の可能性が上がる。
----
■ちぎりのデメリット
ちぎって入れた場合、以下のデメリットがある。
・時間ロス
・段差が埋まらない(今後いつか縦置きする必要がある)
・隣の列に(ランダムな色の)ぷよが積み重なる
【時間ロス】
ぷよがぷよっとちぎれて落下するアニメーションの時間分、ロスとなる。
上級者同士の戦いの場合、ちぎりの差でツモ数差が広がり、敗着となることもある。
【段差が埋まらない】
欲しい色をちぎって入れて、土台が完成したとしても、段差は埋まらない。
土台上を平らにするためには、今後どこかのタイミングで縦置きしなければならない。
(溝を埋めない選択肢を取ると、使えない空間が発生し、飽和連鎖量が減る)
【隣の列にぷよが積み重なる】
ちぎって入れるということは、大抵の場合、要らないぷよが隣の列に積み重なる。
極端な場合、要らないぷよが三段積み重なることもある。
[図2-1]
3回ちぎり
青が3個来たので、3回ともちぎって入れてみた図。
土台を完成させるために無理矢理ちぎって入れると、隣の列が悲惨なことになる。
[図2-2]
うず高く積まれた2列目のゴミ
この縦3色&端溝四段を綺麗に回収するには、かなり高レベルな技術が必要となることは容易に想像できるだろう。
少なくとも、最初の土台で連鎖尾縦3色を消化できるくらいの技術は必要だ。
[図2-3]
かなりの技術力が必要とされそうな残し
[図2-4]
連鎖尾回収の一例
(余談)■土台の上の土台
S字構築の場合、土台が平らな形になっていれば、
土台の上に鏡写しにした土台を置くだけで第二折まで綺麗に組める。
[図2-5]
図2-2の上に図2-4をそのまま乗せた
つまり、折り返しの上で組まれる多重連鎖は、連鎖尾の形を応用することができる。
----
■段差の解消法
段差を解消する手段はただ一つ。
「縦置き」することである。
GTRでの実践例を見ていこう。
[図3-1]
GTR構築中(ツモNo.44381、4手目まで)
このツモ順は、GTRのL字に使いたい黄色が、1個しか来ていない。
GTRの完成を急ぐために、黄色をちぎってでも入れたい場面である。
----
(余談)この形は、いわゆる「クソ雑魚GTR」と呼ばれる形で、
発火までに必要なぷよ数が多いため、相手の速攻にとても弱い。避けられるなら避けたい形だ。
上級者ならば、ダブルネクスト(ネクネク)を見て、L字部分を緑に変更できるかもしれないが......。
----
本譜では、5手目の黄緑をちぎることによって完成を急ぎ、
7手目を縦置きすることで段差を解消しつつ折り返し部分が完成した。
ぷよぷよ連鎖シミュレータ / ぷよ譜
http://www.puyop.com/s/_cm5qhibiga6E8c0M1K3030
[図3-2]
GTR折り返し部分完成(ツモNo.44381、10手目まで)
次の例をみよう。
[図3-3]
GTR構築中(ツモNo.15524、5手目)
図3-1とまったく同じ形である。(4手目まで同じツモである)
5手目の赤黄をちぎって入れたくなるが......?
ネクストを見ると6手目に黃ゾロが来ていることが分かる。
こういう時は、5手目は連鎖尾側に使って、
黃ゾロを1列目に縦置きしよう。
[図3-3]
GTR構築中(ツモNo.15524、6手目まで)
ネクスト欄にゾロが見えている場合、ゾロを溝に突っ込むために開けておくのも手だ。
ぷよぷよ連鎖シミュレータ / ぷよ譜
http://www.puyop.com/s/_cm5qhi7u3Gi8b0d0
このように、溝に突っ込むツモとして、ゾロは最適なツモだ。
ちぎりが発生しないので、先に挙げたデメリットを全て解消できる。
欲しい色であれば尚更だ。
次の例を見てみよう。
[図3-4]
GTR構築中(ツモNo.10086、5手目)
ABABAACCツモである。
今回は横Y字を優先して、図3-4のように置いた。目指す形の一例は図3-5だ。
[図3-5]
目指す形(GTR、横Y字)
この置き方をすると、3列目と6列目に二段の溝ができる。
3列目はハチイチ(緑青、青緑)しか縦置きできないため、ちぎって入れていく。
6列目にはゾロを優先的に入れてあげよう。
本譜では、ツモに合わせて変形して、最終的に図3-6の形になった。
[図3-6]
GTR土台完成
ぷよぷよ連鎖シミュレータ / ぷよ譜
http://www.puyop.com/s/_d8dgcy6y9qoMdm9EmM7som9s7qi0
----
■まとめ
ちぎって入れても段差は減らない。
段差を減らしたい場合、縦置きするしかない。
端の溝は特に埋めにくいため、ゾロを有効的に使おう。
【今回の格言】
ゾロは端の溝に突っ込め
【謝辞】
ぷよのツモパターンを特定するために、
ぷよキャン記事「
ぷよスポの65536通りの配ぷよを検索するツールを作成しました。」
を使わせて頂きました。感謝します!
記事全般において、
ぷよぷよ連鎖シミュレータのぷよ譜、および画像を使わせて頂きました。感謝します!