中盤戦術技術徹底攻略 第三部 潜在的一手の分析
中盤の未確定領域
理論は、目的地に早く到達するための道路整備のような役割を担っている。もちろん、これらを知らなくても、上級者になっている人はたくさんいる。要は理論派、感覚派の違いである。感覚を磨くには、理論を''やんわり''と理解することだ。
なお、下記の理論の説明は、私自身の解釈が多分に含まれたものとなっている。納得がいかないようであれば、各自で元を辿ってもらいたい。
「絶対領域3,4」
⇒3,4列目に2色ぷよを種ぷよとして横置きする
実は、3,4列目だけでなく、1,6列目も同時に考えなければならない理論である(と解釈している)。単純に、1縦、6縦、1,2横、5,6横と選択肢を増やすことで真ん中に比べて若干扱いが難しい端列を扱いやすくする。結果、総合的に1,3,4,6列目が2,5列目より高くしやすくなる。2列目、5列目はそれぞれ両隣の列のぷよを生かせるので置けるツモの受けが広く、縦置きのみで捌きやすい。その意味では2,5列目は他の列より雑に扱える列と言える。(両隣りの列のぷよを生かせるという意味では3,4列目も同様だが、その場合若干制限が強まる。)
「絶対領域3,4」は、実は「絶対領域1,6」でもあるという解釈であるが、「絶対領域1,3,4,6」などとは言いづらいので、逆をとって「調和領域2,5」などとしたほうが良いのではないか?
また、端列が先に組み上がることで、2,3横、4,5横置きをしても良くなり、縦置き、横置きの自由度が格段に広がる。
結論
絶対領域をゆるく意識することで、端が高く中央が低い盤面が見込める。中央の列は見据えることのできる連鎖の形が端に比べて多いので、ちぎりによってごみを残して連鎖構築を進めてしまう可能性が低くなり、ちぎりの段差も小さくなる。
後折りGTRの三段目、4,5列目にハチイチを置けても、立てたほうが後々の形が良くなりやすい。5,6列目を「ハチイチ」、「(1/4)×2」の2択で伸ばせる。後者は折り返し上に種ぷよを残しながら伸ばすため、折り返しを組みきった後は隙の無い良形になる。
«参考»「絶対領域3,4」の穴
絶対領域は4個消しを前提として論を進めている。よって連結が絡むと論理が崩壊する。
低い第2折りを狙わない場合、6列目は
●●のハチイチ待ちになってしまう。
赤を5連結で消そうとすると、潜り込み連鎖尾が楽になる。
上の画像を見ると、2,3列目、4,5列目に横置きしても、多連結、潜り込み連鎖尾を駆使すると1/4(ゾロ2種、5連結用の2色ツモ)で1,6列目を埋められる。連結が絡むと端に縦置きできるツモが増えるので、「絶対領域3,4」を無視してもきれいな盤面を作ることができる。
「バランスマンション」
⇒連鎖尾、折り返し部分の段差を合わせる事によって、中盤を組みやすくする感覚技法。
私としては、段差を減らすことで、全体的に段差計算の難度を減らしつつ、2,3連結の部分を無理なく増やし、中盤の種かつ本線となる形を作りやすくする考え方だと思っている。
左が右になるだけでだいぶ印象が変わる
※ぷよスポでは、いちいちバランスマンションを気にするより、とにかくツモ量を増やしたほうが強い。速度の早いぷよスポでは、良形を構えて得られる有利よりもぷよ量で得られる有利のほうがはるかに大きい。ノンストップでぎりぎり扱いきれる形を使うほうが催促対応も本線も優位に立てる。
「種ぷよ花ぷよ理論」
⇒種ぷよ→全体の連鎖、花ぷよ→瞬間の連鎖
2色ツモを、片方の色だけ盤面の形を確定させるのに用いる。他方は未確定の種ぷよとして後に作る形に複数の選択肢を残しておく。種ぷよを常に残しておくことで、ツモを置く場所の判断を間違えることが減り、連鎖順序を最後まで選択できるようにする。
種ぷよはより多くの連鎖ルートを残し続ける。形の確定を先伸ばしし続けることで、後々の回収率を上げる。裏を返せば、ツモを半分しか生かさないので、催促対応を作るのが若干遅れる。これを解消するのが花ぷよとゾロ。ツモをすべてハチイチ(ジュウロクイチ)として形の確定に使うことで、連鎖のない状態を減らす。隙を先に晒すか、後に晒すか、の選択をする手助けにもなる。
■理論の優先度(諸説あり)
種花理論>バランスマンション>絶対領域
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土台の未確定領域
[理論と土台手順]
土台手順と理論は基本的に別物である。土台構築は自分の想定する確定領域に沿ってツモを当てはめるだけからだ。未確定領域に対する理論とは思考ルートが根本的に異なる。さらに、土台部分の種ぷよは必要性が薄く、結果的に平らになれば連結が多用される。よって、理論の通用する域を容易に脱しうる。土台は上手いが、中盤が下手、あるいは土台は下手だが、中盤は上手い、といった一見矛盾するような現象はここから生じている。
[土台構築]
基本は、想定する複数の選択肢をなるべく残すにしながらツモを置く。NG土台になったら原因のツモ(置く場所に複数選択肢があったもの)を修正する。正直、土台構築に関しては理論を考えるよりもツモ手順の精査の試行回数を増やすほうが早く完成できる。だぁ積みなどによく見られるように、ごみぷよをわざと作って土台を平らにすることもあるので、土台構築に理論を持ち込むのはたいした解決策にならないことが分かる。後折りは選択肢を精査しやすく、先折りに比べて愚形になる曖昧手順を回避する癖が付けやすい。
優先順位
色>段差≒連結>列
土台までなら、色のバランスを見ながら組んでいくことは練習しだいで可能。
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後書き
中盤戦の捉え方は実に様々である。中盤戦術技術徹底攻略と題したこの記事でも取り上げられなかったことはたくさんある。特に「ぷよ量と受け」、「未確定領域へのアプローチ」、「崩れた盤面(乱戦)」については理論的考察が難しく、筆者もいまだに全体像を把握しきれていないのが現状だ。溢れる探求心を持ったぷよらーにバトンを渡すことにする。長連鎖催促、長連鎖対応、速攻戦術と中盤戦の関係は主題から外し、大きくは取り上げなかった。経験を積むしかない。また、「飛ばし」、「掘り」などの技術は中盤戦に慣れてくると自然に身に付く(?)技術であるため、取り上げなかった。
この記事は全て私の偏見で構成されており、校閲もない。そして私自身はいわゆる上級者ではないので、上級者の思考を把握しきれていない。よって取り上げた内容に異論を評する者もいるだろう。当然の理だ。あくまでも中盤の1つの指南書として書き上げたので、根本的に誤っている部分があれば指摘、意見をお願いしたい。
知識を知れば、後は実行出来るように練習するのみである。しかし、当然のことながら、ぷよぷよの対人戦はその完成度の要求ラインが非常に高い。ぷよっぷよっなどとカジュアルなゲームをうたいながら、極めて☆はいじん☆向けのゲームであるとあらためて思い知らされる。
中盤戦を突き詰めると終わりがないことは皆さんも重々承知であろうが、中盤の戦型は個人のプレイスタイルに依存するところが大きく、正解は存在できないという結論が今の私の解釈である。
(もしかしたら改訂版出すかもしれない。) 終