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ぷよぷよ 100/0万TA手引書(作:fiane)

by
machine322
machine322
インターネット上で検索可能な形にして残したいと思ったため転載します。
原文https://docs.google.com/document/d/1PL3WHdD3TA7T_82KmK-2t7IN-WZRuhlt9Ntvq-Te7p0/edit?tab=t.0


はじめに


本書はぷよぷよ e-sports 1000万TA、100万TAの手引書です。

上達するための情報を必要としているものの、コミュニティへのつながりがないためにそうした情報にアクセスする手段を持たない人の手助けになればと思います。
なので、私がコミュニティから得た集合知も含めて、ぷよぷよへの理解に必要な考え方、情報をなるべく客観的に記述するよう努めます。
本書は100万TAを完走できるプレイヤーを対象としているので、初心者講座ではありません。
連鎖を効率的に組む方法について記述しますが、ゼロから連鎖が組めるようになるものではないので、注意してください。
また、本書には整合性に乏しいものや、私個人の見解が含まれています。

本書の内容を引用する際には、引用元としてURLを明記してください。
一人でも多くの人が、ぷよぷよの楽しさをより理解できることを祈っています。
前提事項
TAには、規定の得点により速く到達するという目的があります。
その目的を達成するために、より速く、より安定して、より点数の高い連鎖を打つことが求められます。
なので本書では「良い連鎖」という表現を「より速い」「より安定している」「より点数が高い」と定義します。





上達の行程には慣れと理解が存在します。


慣れは技術を定着させる工程を指し、
理解は目的に対する有効な技術を知る工程を指します。
慣れは、プレイを重ねることで段々と進捗します。
しかし理解は、ゲームの全体像を捉えていないと進捗が困難である場合が殆どです。
またその性質ゆえに、自分が何を理解していないのかわからない状況も多発します。
本書は、その理解の工程を手助けするために存在します。
記述方法は理解の項目をリストアップする形で行われます。理解の項目を知ることで、自分の理解度を逆算的に測ることを意識してください。






本書では土台の例としてGTR、フキゲンGTRを多用します。
使用する形を限定することは、極論を言えば不必要です。
しかし、そうすることで思考の負担が減り、ミスの数を抑えることができます。
本書では分かりやすさを重視します。
便宜上、決まった形のみを取り扱うことをご了承ください。




上達するために
ぷよぷよを練習していく上で、以下のことを意識すると実力が伸びるかもしれません。

どの色が必要か
連鎖を組む過程で、自分が何色が欲しいのかを常に考えるようにしましょう。

図は青色が欲しいですね
色をどこに置くか決めておく

ネクストを参考にする
ネクストは非常に価値のある情報です。
ネクストを考慮することによって、より効率的に連鎖を組むことが出来ます。
またTAには補正があるので、色が一つ足りないといった一手損も回避できるようになります。
はじめは慣れないかもしれませんが、練習すれば必ず、無意識的にネクストを参考に組めるようになるでしょう。


タイムを速める上で
TAである以上、タイムの短縮を目標に練習すると思います。
その時に「自分が無意識に組めている手を速く組む」ことを意識してください。
全ての手の速度を速める必要はありません。
TAにおいて、一手のマイクロラグは大きな差を生みます。
純正16連鎖を打つとして、一手ごとに0.2秒のマイクロラグが生まれるだけで、発火する時には6.4秒の差が生まれます。
ボトルネックであることを意識する
TAでは、時に一つの小さなミスが大きな損失を招くことがあります。
例えば土台で、入れるべきタイミングで入れるべき色を入れなかったために、修復不可能な溝が生まれてしまう、などです。
土台のミスが土台に現われるとは限りません。
わずか一手、色の置き場を間違えただけで、本来発火できた連鎖が発火できないということは往々にしてあります。
土台から終盤まで、連鎖を組み上げる過程はすべて繋がっていることを意識してください。


スペースの埋め方を知る
実際に連鎖を組むにあたって、最も挫折しやすい項目だと思います。
平らに組むのが良いとされていて、それを理解もしているが、実際にどうやって組んだら良いのか分からない、という人は多いでしょう。
本書では便利なスペースの埋め方をいくつか紹介しますが、それを理解するために、まずは連鎖を分解する意識を持ってください。

一見複雑な連鎖でも

折り返し、多重、連鎖尾に分解することができます
列の優先度
列はぷよぷよを語る上で欠かせない要素です。
ぷよぷよのフィールドは「縦13列×横6列」で構成されており、用語として「列」を扱う際には、横軸のグリッドを指すのが一般的とされています。

図の黄色は「2列目の黄色」と表現されます

2~5列目への置き方は、横置きが4種類、縦置きが2種類で、各列計6種類存在します。
端の1,6列目への置き方は横置きが2種類、縦置きが2種類の計4種類なので、自由度が低く、優先度が高まります。
優先度とはつまり「そこに特定の色を置かなければ形が苦しくなる指標」です。


優先度は、置き方の関係からデフォルトで端の1,6列目が高いです。
次いで2,5列目、最も自由に扱えるのが真ん中にある3,4列目です。
なので、V字型のようなシルエットを意識すれば、極端に連鎖が崩れることは少なくなります。

段差は一列以下に、端は高く、中央は低くしましょう









2,5列目より端の方が低くなると、無理なちぎりが増えたり、ツモの受け入れを極端に減らします。


図は6列目より5列目が高く、段差が二段以上あるので、6列目の処理がとても難しくなっています。
このような形は無理な処理を生み、形全体のバランスが崩れます。


バランスと結合
形にはバランスが存在し、V字型のシルエットは比較的良いバランスと言えるでしょう。
しかし、V字型でも段差が多ければ無理が生じます。無理が生じる原因として次に考えられるのはバランスです。


図は段差が少なくバランスが良いと言えます
バランスとは、すべての列の段差の比を指します。
平らであればバランスが良く、凸凹であればバランスが悪いとされます。
凸凹だと様々な弊害が生じます。
ちぎりが増え、色管理が難しくなり、結合も困難になります。



結合とは、右三列と左三列を繋げる技術のことを指します。
厳密には異なりますが、後ほど説明しますので、現段階ではそのように理解してください。


赤枠の青は、左右をつなぐ結合の役割を果たしています

折り返し上部と第二折り返しを繋げています

こうした結合はV字型にならなくても、受けが広くなり、より自由に組める場合が多いです。
中央を高くする場合でも、隣り合う列同士の段差を一列に抑えて結合してください。
結合をするために、バランスよく組むことが必要です。
バランスと結合は切っても切れない関係にあります。



優先度を判別するためには
列の優先度で語った通り、優先度は基本的に列を参照して決められます。
しかし、全ての優先度が、列のみによって決められるわけではありません。
ここに例を示しましょう。

ツモは黄青とします

この図は列の優先度のみを使って判別するなら、黄枠に置くのが正しいことになりますが、
実際には、溝が生まれている赤枠に置くのが正しいです。
このように優先度は段差と列、両方を参照して決まります。
二段以上の溝がある箇所は、優先度が高いと言えます。




























S字構築とU地構築
構築と名がついていますが、実際には連鎖の流れのようなものです。

S字構築、第二折り返しや第三折り返しを用いるのが特徴的です

U字構築、左右で連鎖尾と折り返しが綺麗に別れるのが特徴的です
プレイヤーはツモに合わせて、S字構築(以下、S字)とU字構築(以下、U字)どちらが有用かを選択していくことになります。

それぞれのメリット、デメリット

S字は非常にオーソドックスな連鎖の流れです。
飽和が高く、色の受けも広く、暴発管理も比較的容易です。
特に飽和の高さはメリットとして強く、TAでは基本的にS字を目指して組むことになります。
S字を組む際に気を付けるべきポイントは、土台のバランスです。
土台のバランスが悪く、凸凹した結合や多重を組んでしまうと、第二折り返しに移行することが困難になります。
なので、S字では特に土台での優先度を理解することが必要です。




U字はツモが悪く、決まったスペースで得点を上げる場合に重宝します。
S字と比べてツモ依存度が低く、同時消しが混ざった連鎖尾を無理なく組むことができます。
U字を組む際に気を付けるべきポイントは、暴発管理です。
暴発のタネにフタをして管理する、といったような技術は、U字で扱うには難しいです。
また暴発した際の損失もS字より比較的大きいです。
なので、U字では特に色の干渉を理解することが必要です。
色の干渉はとても難しいトピックなので、後ほど改めて説明します。













セクション
冒頭でも話した通り、一見複雑に見える連鎖でも、色々な形の組み合わせであることがほとんどです。

一見複雑な連鎖でも

折り返し、連鎖尾、多重に分けられます

このように連鎖を分解する上でできた構成素のことを、セクションと定義します。
連鎖は様々な種類のセクションによって成立しています。

セクションはとても大切な考え方です。
綺麗な連鎖を組むためには、埋めなければならないスペースに、適切なセクションを設置しなければいけません。
設置するセクションが不適切だと、バランスが悪くなり、飽和も低くなります。





フィールド、スペース
セクションとスペースは、とても緊密な関係です。
これら二つの考え方は、連鎖やフィールドをシルエットとして認識します。


S字を組むときのフィールドをスペースで分解しました

セクションは、こうして分けられたスペースに適切なシルエットで設置するための考え方です。


例えば土台の3×6の長方形のスペースには、このようなセクションが適切です

スペースは入れ物で、セクションはその中身です。






セクション、スペースの分解

前項では、フィールドをスペースで分割することを説明しました。
しかし、実際に連鎖を組む上でセクションやスペースを利用するためには、もう少しエリアを狭めた分解が必要です。

先程の土台のスペースを分解しました

こうしたスペースの分解は、より繊細なバランスの調整を可能とします。


例えばこの形からバランス良く組むためには

余っているフィールドに、スペースを分解し設置して


スペースにセクションを設置します
設置するセクションがはみ出していても、1マス程度であれば問題ありません

スペースは色々な形状に、2マスまで分解できます。
















ぷよぷよにおいて、色にちなんだ技術は数多く存在します。
具体的には、色干渉、同色関係、暴発管理などです。
色について理解を深めると、手順が良くなり、安定性もあがり、再現性も高まります。
色は、理解するにはとても複雑で、そして様々なトピックがあります。
なので、まずは色がもつ技術の概要を説明することで、全体像を捉えるところからはじめます。




収束
色について説明する前に、前提知識を紹介します。
収束は、連鎖が決定している状態を意味します。

これだけでは分かりづらいと思うので、具体例を示します。

土台を組む過程の連鎖では

赤枠が収束、黄枠が未収束になります

このように連鎖として確定している部分は、これ以上変わりようがないので、「収束している」と表現します。
次に、難しい例を示します。

1列目の青は、本線として見ると収束しているが

多重としても使えるので、未収束としても扱える
ぷよぷよでは、どのような形でも組み換えが可能であるため、厳密に収束と断定するのは難しいです。
しかし組み換えが困難な形は、割り切って収束と断定した方が思考の負担が減り、また理解も容易いです。



以降、本書で収束という単語を用いた際は、このような概念を意図します。







未収束色リスト
前項では収束という概念を学びましたが、実践で効果的に扱うためには、もう一つ収束にちなんだ考え方を学ぶ必要があります。
未収束色リストは、プレイ中に扱う4色が収束か、未収束かを脳内で判別する技術です。
4色の内、収束している(=連鎖のタネがない)色を特定し、その色の受けを作るためにあります。



赤枠が収束、黄枠が未収束です

未収束色リストは、連鎖尾の未収束色、黄、緑、青のみならず、リストに存在しない赤にも注目します。
未収束色リストに載っていない色は、フィールド上に一から受けを作らなければいけません。
///表現を変えたほうがいいと思う 


予め赤を意識することで、特定のツモに対応できます







同色未収束の散在
同色の未収束が同じ連鎖として扱えない位置に散在している状態は、連鎖構築における軽度のタブーです。
この状態は散在している色の優先度が高くなるため、ツモの選り好みが出来なくなります。
その結果、散在を解消するために置いたツモが新たな散在を生むようになり、バランスが崩れやすくなります。

この図では緑が散在しています


散在を避けるには、必要な色を置く際に、そのツモでしか置けないか考えます。


ツモは黄緑で、3列目に緑を置くと仮定します
3列目に緑を置きたいですが、このタイミングで黄緑を置くと、同色未収束の散在が起こってしまいます。

殊な処理をしない限り、これらの黄色は別の連鎖で扱うことになります

優先度の高い色を置く際には無理な処理をせず、より良いツモを待つことが、散在の予防に繋がります。

三列目の緑を埋めるには、緑ゾロ、緑青、緑赤が有効です


























雇用理論
雇用理論とは、端的に言えば「色の受けを管理する理論」です。
「フィールド上のすべての青が収束したから、新たに青の雇用先を作ろう」といったイメージです。
しかし、これだけでは分かりづらいので、具体例を示します。
/// 例として適切じゃないかも 新しい具体例を用意することをおススメする
6列目に赤を縦2で置くといい感じにつらさを説明できるかも?

ツモは青赤です
この図では、青赤は折り返しのハチイチです。
しかし折り返し側に青赤を入れると、青は収束し、受けが無くなります。

枠は置けない色を示しています
上の図では、折り返しは収束したものの、4列目に置ける色が少ないです。
さらに、無駄なツモを逃がす場所がないので、連鎖尾を組んでいる途中でゴミぷよが発生しやすくなります。
このように、一見するとハチイチに思える場面でも、置かない方がその後の展開が良くなることがあります。




雇用理論は、収束して色の受けが無くなることを嫌います。




今回の例では、4列目の置けない色を解消しつつ、連鎖尾側に受けを作るよう4列目に立てると、受けの状態が良くなります。
/// 前例に同じ 赤を6列目に縦2にして56に置くような例だと正しいと思う

青と赤の受けが消えないように、連鎖尾として処理します
このように収束を遅らせ、新たに受けを作ることで、連鎖構築がスムーズになり、受けが広く、制約の少ない形が組めます。

次に、難しい応用例を見てみましょう。




ツモは赤青、緑ゾロです



1列目に緑を置くと、フィールド上のすべての緑が収束してしまい、その後の緑の処理がわずかに難しくなります。
よって、緑の雇用先を新たに設ける必要があります。



赤青→4縦、緑ゾロ→5縦
ネクストの緑ゾロを確認し、緑ゾロを5列目に入れることで、新たな連鎖のタネを補充しつつ、バランスを整えることに成功しています。



このように、雇用理論は「特定の色が置き辛くなる状況」を回避するために存在します。
そのためにすべての色に受けを作り、その受けが解決したら、また新たに受けを作る。
この工程を連鎖全体が収束するまで繰り返します。



















置ける色、置けない色
特定の色が置きづらい状況とは、どのようなものでしょうか。




よくある先折GTRですが、どうにも組みづらそうです。その原因は、露出した緑の座布団とバランスの悪さにあります。

枠内には、色に対応したぷよが置けません
緑に対処するためには、六列目を埋めて緑を逃がすか、多重を組んでその上に緑を置かないといけません。
このような「しなければならない」という状況は、形を歪める原因になります。
これは、優先度に通じる話でもあります。


置けない色は4連結になってしまうため、ルール上置くことが出来ない色を指しています。
しかしそれとはまた別に、置きたい色、置きたくない色というカテゴリーも存在します。
簡単な例で捕捉します。

枠は置きたい色を意味しています

青枠には、ルール上では赤二つ以外のパターンすべての色を置くことが出来ますが、基本的には青を置きたいです。
次に、置きたくない色の簡単な例を示します。

枠は置きたくない色を意味しています

赤枠には、5列目の優先度が高いことを考えて、基本的には赤を置きたいです。
逆に、黄と青は置きたくない色に分類されます。

置ける色と置けない色の判別に思考の余地はありません。
しかし、置きたい色と置きたくない色には、思考の余地が存在し、中立が存在します。











色の位置関係
本線構築において、色の位置関係は組みやすさを左右します。



図1                                                     図2
図1は図2に比べて組みやすい色の位置関係と言えます。



同じ色のぷよが二つあるとき、それらを同じ連鎖として連結させる組み合わせの数は、形の自由度に直結します。

図1                                                   図2
図1は5通りで、






図2は1通りです。

組み合わせの数が少ないと組み換えることが難しく、進行に強制力が生まれます。
図2の2つのぷよを一つの連鎖として扱う消し方は一通りしかありません。
「しなければならない」状況は優先度を高めるので、処理が苦しくなるのです。







別の連鎖として

























色干渉


































色の位置関係、色干渉
同色斜め置き
折り返し直後の色管理を簡単に管理したいときに役立ちます


左右を両断したときに、同色が斜めの関係にあります
置けない色スペースのすぐそばにその同色を置くことで、多重と連鎖尾それぞれの色干渉が最小になる仕組みです。



1連結、2連結、3連結
暴発
セクションのズレ
雪崩の四列目
同色座布団
5列目のゾロ置き
フキゲンの四列目



手順
ネクストと一手損
一手損とは、

ツモは黄緑です
四列目に緑を置くと仮定します。

分割(?)
分割とは、同じ連鎖として扱うはずだったものを別の連鎖として組み替える技術です。

枠内の青は、同じ連鎖として想定されています

ツモに合わせて別の連鎖として扱うことがあります
このように、本来は同じ連鎖として扱うはずのぷよを、バランスを整えるために別の連鎖として組み替えます。

分割は、妥協した結果であることが多く、平時に扱う機会はほとんどありません。
例えば、上の図では青ゾロが来たものの、ネクストとネクネクに青が無い場合で活用することが多いです。
 
作成日時:2025/04/20 15:43
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